10月7日 / 食彩探訪 / 鯛と百合根の菊花蒸し御膳

蓋を開けると、まず柔らかな蒸気が立ち上がる。その中から現れるのは、白い身をふっくらと蒸し上げた鯛と、淡い黄色の菊花だ。

鯛は箸を入れるとほろりと身がほどけ、酒と昆布の穏やかな香りとともに淡い旨みが広がる。そこへ百合根をひと口。ほくりと崩れる優しい甘さが、鯛の繊細な味によく馴染む。

最後にふっと残るのが菊花の香り。華やかすぎず、白を基調とした静かな蒸し物に、秋らしい余韻だけを添えている。

次回予告――
「里芋と蓮根の揚げ出し 生姜あん御膳」。
静かな秋の蒸気から一転、香ばしく揚げた二つの根菜と温かな生姜あんへ。

田嶋達郎

呪文

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