本日のランチ
使用したAI
ChatGPT
9月22日 / 食彩探訪 / 鶏手羽中としめじの揚げ浸し かぼす香御膳
揚げ物なのに、第一印象は不思議と穏やかだ。
鶏手羽中の表面には薄い衣。油から上げたばかりの香ばしさを残しながら、温かな浸し地を含ませている。箸で持ち上げると表面にはしっとりとした艶があり、ひと口かじれば、まず衣からじゅわりとだしが広がった。
そのあとにやって来るのが鶏の旨みだ。特に骨際の肉はしっとりとして味が濃い。昆布だしと薄口醤油を軸にした浸し地が強く主張しないぶん、噛むほどに鶏そのものの味が前へ出てくる。
一緒に盛られたしめじもいい。傘にはだしをまとわせながら、噛めばきのこらしい弾力が残る。鶏の脂、だし、しめじの香り。この三つが重なったところで白いご飯を頬張ると、実に収まりがいい。
そして最後に、かぼす。
果汁の酸味を前面に出すというより、皮から立つ青く爽やかな香りが、鶏の脂が残った口の中をすっと軽くしてくれる。もう一本手羽中へ箸を伸ばしたくなるのは、この余韻のおかげだろう。
冷やし豆腐と胡瓜の浅漬けを挟めば、温かな主鉢との温度差も心地よい。
揚げて香ばしく、だしを含ませてやさしく、かぼすで軽やかに締める。
同じ鶏手羽中でも、ただ「カリッ」と食べさせるのではない。秋のだし料理として仕立てたところに、この一膳の面白さがあった。
次回予告――
9月23日は「秋刀魚と焼き茗荷の酢締め御膳」。
脂の乗った秋刀魚に、香ばしく焼いた茗荷と酢の切れ味。温かな揚げ浸しから一転、明日は秋の青魚をきりっと締めた一皿を味わいます。
田嶋達郎
揚げ物なのに、第一印象は不思議と穏やかだ。
鶏手羽中の表面には薄い衣。油から上げたばかりの香ばしさを残しながら、温かな浸し地を含ませている。箸で持ち上げると表面にはしっとりとした艶があり、ひと口かじれば、まず衣からじゅわりとだしが広がった。
そのあとにやって来るのが鶏の旨みだ。特に骨際の肉はしっとりとして味が濃い。昆布だしと薄口醤油を軸にした浸し地が強く主張しないぶん、噛むほどに鶏そのものの味が前へ出てくる。
一緒に盛られたしめじもいい。傘にはだしをまとわせながら、噛めばきのこらしい弾力が残る。鶏の脂、だし、しめじの香り。この三つが重なったところで白いご飯を頬張ると、実に収まりがいい。
そして最後に、かぼす。
果汁の酸味を前面に出すというより、皮から立つ青く爽やかな香りが、鶏の脂が残った口の中をすっと軽くしてくれる。もう一本手羽中へ箸を伸ばしたくなるのは、この余韻のおかげだろう。
冷やし豆腐と胡瓜の浅漬けを挟めば、温かな主鉢との温度差も心地よい。
揚げて香ばしく、だしを含ませてやさしく、かぼすで軽やかに締める。
同じ鶏手羽中でも、ただ「カリッ」と食べさせるのではない。秋のだし料理として仕立てたところに、この一膳の面白さがあった。
次回予告――
9月23日は「秋刀魚と焼き茗荷の酢締め御膳」。
脂の乗った秋刀魚に、香ばしく焼いた茗荷と酢の切れ味。温かな揚げ浸しから一転、明日は秋の青魚をきりっと締めた一皿を味わいます。
田嶋達郎
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