「ねえ、聞いてるの?」

ホワイトボードの前で、雪のように真っ白な髪の少女が、じっとこちらを見つめている。彼女の名はハルナ。最近、転校してきたばかりの彼女は、なぜかいつも難しい顔で熟考していることが多い。

「……え、ごめん。今なんて?」

私が聞き返すと、ハルナはわざとらしく頬を膨らませた。

「だからね、さっきから『どっちがより効率的にチョコを摂取できるか』について、歴史的観点から考察してたのよ。私の意見としては、塊で食べる派が優勢だと思うの」

「いや、歴史的観点どこいった!?」

「あったわよ。古代の偉人たちだって、疲れたら糖分を欲したはずだもの。きっと彼らも、板チョコをそのまま齧りついてたわ」

ハルナは真剣な面持ちで、ホワイトボードに『チョコの効率的摂取』と大書した。その姿は、どんな難問にも立ち向かう天才少女のようでもある。

「ほら、見てよこの結論。食べた後の幸福感は、摂取スピードに比例するの」

彼女は得意げに指を突き出した。その瞳は、新しい遊びを見つけた子供のようにキラキラと輝いている。

「ねえ、その理論の検証、今から付き合ってくれない?」

彼女が差し出したのは、昨日買ったばかりの大きなチョコバー。
私は溜息をつきつつも、その誘惑に負けて頷いてしまった。結局、彼女のペースに巻き込まれるのが、最近の私の日課になりつつある。

呪文

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