「ねえ、今日着てきたパーカー、なんだかおかしくない?」

友人のツキコが、じっと私の顔を見つめて言った。私は三つ編みを揺らしながら、フードの耳をぎゅっと握り直す。

「え、そうかな? お気に入りのくまさんなんだけど」
「いや、くまはくまなんだけどさ……よく見てよ。そのフード」

ツキコは指をさして、くすくすと笑い出した。私は鏡をのぞき込む。ふんわりとしたベージュの生地、つぶらな瞳、愛らしい耳。どこからどう見ても、可愛い小熊のパーカーだ。

「……別に普通じゃない?」
「普通じゃないよ! よく見て! 牙があるじゃん!」

言われて初めて気づいた。フードの縁に、鋭い三角の牙がずらりと並んでいるではないか。

「えっ、ホントだ! これ、くまじゃなくて、もしかして……」
「サメ……だよね? くまの着ぐるみを着た、サメ?」

私たちは顔を見合わせて、同時に吹き出した。

「どうしてこんなデザインにしたんだろう。くまかサメか、はっきりしてほしいよね」
「でも、なんだかじわじわくる。これ、このまま着ていこう」
「賛成。みんなの反応が楽しみだね」

私は牙付きのフードをすっぽりと深くかぶり、誇らしげに胸を張った。

呪文

入力なし

夜空さんの他の作品

夜空さんの他の作品


関連AIイラスト

新着AIイラスト

すべてを見る