アナーニ事件をやろうとしたら意図を見抜かれて生成拒否食らったマヌケな作者です。
(どーでもいい)


70年9月8日、エルサレム陥落をもってユダヤ戦争が終結。
それはユダヤ人にとって宗教的拠点がこの日をもって存在意義を否定された意味と同義でもあり、この先1900年にも及ぶユダヤ人の離散の受難が決定的になった日でもありました。


元々ユダヤ属州はローマ帝国内である程度の自治が認められていました。
しかし多神教文化であるローマ帝国と一神教を奉ずるユダヤ教は元々相容れない存在。
(同様の問題は後のキリスト教弾圧でも発生します。)
ユダヤ属州総督が神殿の宝物の供出を命じたことを契機に反ローマの機運は瞬く間に属州全土へと広がり、折悪くローマ本土は68年6月の皇帝ネロ暗殺以降に皇帝が次々と乱立する大混乱状態だったこともあって暴動の鎮圧は碌に進みません。
遂にしびれを切らしたユダヤ方面軍司令官のウェスパシアヌス将軍はローマへ引き返し、自らがローマ皇帝に就任してローマ内部の内乱を鎮圧。
息子ティトゥスを司令官に命じて改めてエルサレム攻略へ全力を注ぎます。


70年4月、ローマ軍はエルサレムへの攻略を開始。
エルサレムは三重の城壁に守られた鉄壁の要塞であり、攻略は一筋縄ではいきません。
数か月に及ぶ攻防の末、70年8月にローマ軍が神殿区域へ突入したことで第二神殿が炎上・破壊されたことで戦況は決定的になります。
魂の拠り所である宗教的拠点を喪失したエルサレム軍の戦意は大きく衰え、9月8日に市街地を含めたエルサレム市はローマ軍によって完全に制圧されました。


この一連の戦争の顛末を現代に伝える重要な史料が、現在のローマに残るティトゥスの凱旋門です。
凱旋門にはローマ兵がエルサレム神殿から持ち去った戦利品を運ぶレリーフが刻まれており、その中にある七枝の燭台『メノーラー』は第二神殿の略奪を象徴する事物として知られるようになりました。
その後も抵抗を継続するユダヤ人残党との戦闘は続き、最終的にエルサレム市街は叛逆者への見せしめとして神殿も市街も全て痕跡すら残さぬほど徹底的に破壊されることになりました。
荒野と化したエルサレムの地に唯一残されたのが、街の跡に作られた兵営の防衛に役立つという理由でそのまま放置された西側部分の擁壁です。
それはいつしか『嘆きの壁』と呼ばれるようになり、そこにかつて自分たちの都と神殿があったことを伝えるただ一つの遺物として、現代に至ってもなお多くのユダヤ人が訪れて祈りを捧げています。

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