1969年10月6日、千葉県松戸市に『すぐやる課』という部署が設立されます。
当時の松戸市は東京のベッドタウンとして急速に人口が増加。
1962年には約10万人だった人口が1969年には約23万人に。
常磐線の整備などで今後も更なる人口増加が見込まれ、道路・上下水道・学校などの整備が急ピッチで進められる一方、市民生活に身近な細かな問題への対応が追いつかない状況も生じていました。


そこで当時の市長・松本清が発案したのが、どこの担当課に連絡すればいいのか分からないような身近な問題を真っ先に受け止め、適切な担当課へと迅速に引き継ぐ部署の設立です。
その設立理念に掲げたものは、

「すぐやらなければならないもので、すぐやり得るものは、すぐにやります」

というもので、これは現在でも存続している『すぐやる課』でもそのまま引き継がれています。


このような発想に辿り着いたのは、市長・松本清の経歴が大きく関わっていることは間違いありません。
千葉県議会議員を6期務めて県議会議長も歴任した松本は千葉県では屈指の名士でしたが、彼にはもう一つの顔がありました。


松本清 = まつもときよし = マツモトキヨシ


そう、彼はドラッグストア・マツモトキヨシの創業者でもあるのです。
1932年に彼は松戸市小金で『松本薬舗』を創業しましたが、
「松本薬局なら他にもあるだろうが、薬局マツモトキヨシという店名なら日本に一つしかない」
という発想から1951年に屋号をカタカナへと変更。
「親切なお店」「良い品をより安く」を掲げ、顧客への迅速な対応を重視する人物でもありました。
「お客さんを待たせない」商売の発想が「市民をたらい回しにしない」行政の発想へと結びついたのでしょう。
その後のマツモトキヨシが全国トップクラスのチェーンストアへと成長したのは最早ここで語るまでもありません。


これらの試みを讃えて、10月6日は『役所改革の日』と呼ばれています。
すぐやる課の設置は全国的に報道され、発足から1年で全国に43の類似部署が設けられました。
1975年(昭和50年)には全国315の自治体で同名部署や同様の役割を持つ部課が運営されています。
現在では縦割り行政の解消を理由に廃止された自治体も多く存在しますが、松戸市では『元祖すぐやる課』として現在でも市民の悩みに寄り添い続けています。

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