「うわぁ、見て見て! お花がいっぱいだよ!」

ルルは抱えきれないほどの真っ赤な薔薇を抱えて、リビングに飛び込んできました。その顔は、抱えた花束に負けないくらい明るく輝いています。

「ちょっとルル、それどうしたの!? どこかの王子様にでもプロポーズされたわけ?」

ソファでくつろいでいた姉のサキが、目を丸くして身を乗り出しました。

「違うよー。さっき、お隣の気難しいおじいさんの庭仕事を手伝ったの。そうしたら『重たいから持っていけ』って、これをドサッて渡されたんだよ!」

「重たいからって……。これ、手入れが行き届いた最高級の薔薇じゃない。おじいさん、本当は不器用なだけね」

ルルは薔薇の濃厚な香りに鼻をくすぐられ、くしゅんと小さくくしゃみをしました。

「えへへ、おじいさんの顔、真っ赤だったんだよ。この花と同じくらい! でも、一生懸命育てたお花を私にくれるなんて、すっごく嬉しいな」

「あんたのその、花より団子ならぬ、花にも負けない笑顔にやられたんでしょ」

サキが呆れたように笑うと、ルルは花束をぎゅっと抱きしめ直しました。

「ねえ、これお部屋に飾ろう? お家の中が、おじいさんの優しさでいっぱいになるね!」

「そうね。まずはその大きな束が入る花瓶、倉庫から出してこなきゃ」

ルルは鼻歌を歌いながら、一輪一輪の瑞々しい花びらを愛おしそうに見つめていました。

呪文

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