「ねえねえ、どうかな? 今日のお洋服!」

マリーがくるりとその場で回ると、ふわりと水色のフリルが空中に舞った。ポニーテールに結んだ青いリボンが、彼女の金髪の上で小鳥のように弾んでいる。

「うん、すごく似合ってるよ。その水色、今の季節にぴったりだね」

私がそう言うと、マリーは少しだけ誇らしげに胸を張った。

「でしょ! このフリルのボリューム感がポイントなの。風が吹くたびに裾が揺れるの、なんだか翼が生えたみたいでワクワクしちゃう」

彼女は得意げにスカートの端をつまんで、もう一度ヒラヒラと揺らしてみせる。しかし、その動きが激しすぎたのか、彼女の肩から滑り落ちそうな赤いバッグを慌てて押さえた。

「あわわ、危ない! 今日はお気に入りのバッグまで一緒だから、あんまり激しく動いちゃダメなんだ」

「せっかくのコーディネートが台無しになっちゃうからね。お淑やかに歩こうか」

私の言葉に、マリーは「うう、難しい注文だなぁ」と頬を膨らませた。それでも、次の瞬間にはまた楽しげに瞳を輝かせて私を見つめてくる。

「でも、これだけ可愛い格好してると、なんだか空を飛んでどこまでも行けそうな気がしない?」

「それはさすがに過大評価じゃないかな。まずは目の前のカフェまで歩くことから始めよう」

「もう、夢がないなあ! ほら、追いかけてこないと置いていっちゃうよ?」

マリーはそう言って、軽い足取りで木漏れ日の先へと走り出した。水色のフリルが陽光に透けて、彼女の背中がまるで魔法にかかったように軽やかに見えた。追いかける私の足元でも、夏の日差しが心地よく弾んでいる。

呪文

入力なし

夜空さんの他の作品

夜空さんの他の作品


新着AIイラスト

すべてを見る