2026/5/5
食彩探訪
とうもろこしごはんと鶏の塩焼き定食
店の奥から、鶏を焼く音が小さく弾けて聞こえてきた。
待つ時間に、とうもろこしの甘い香りがふわりと混じる。
運ばれてきた膳の中心には、黄色い粒を散らしたとうもろこしごはん。
箸を入れると、米の湯気の中から初夏の甘みがやわらかく立ち上がる。
鶏の塩焼きは、皮目がぱりっと香ばしい。
余計な味を重ねず、塩だけで引き出した旨みが、米の甘さを静かに受け止めている。
味噌汁の湯気、小鉢の青菜、漬物の涼しさ。
それぞれが強く主張しすぎず、昼の定食としてちょうどよい呼吸をしていた。
昨日の冷たい出汁の余韻から、今日は炊きたての甘みと焼き目の香りへ。
季節は涼しさだけでなく、少しずつ力を取り戻すように進んでいる。
次回は、冷やし鉢で涼を深めます。
「海老と夏野菜の冷やし炊き合わせ定食」をいただく予定です。
田嶋達郎

呪文

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