2026年8月18日 / 食彩探訪 / 鱧と蓮芋の梅肉冷やし鉢御膳

昨日の炊き込みご飯から一転、今日は見るからに涼しい一鉢だ。白くふわりと開いた鱧、その傍らには淡い緑を帯びた蓮芋。そして中央に梅肉の赤。冷えた器まで含めて、残暑の昼にすっと馴染む景色である。

まず鱧を口へ運ぶ。湯引きされた身はふわっとほどけ、淡い旨みが静かに広がる。そこへ梅肉を少し合わせると、酸味が輪郭を一本引いてくれる。強く味を変えるのではなく、鱧の穏やかな味をもう一度こちらへ向かせるような使い方だ。

面白いのが蓮芋である。柔らかな鱧に対して、こちらはしゃきっと軽い。噛むたびに冷たいだしを含んだ瑞々しさが現れ、梅肉の酸味もわずかに残る。この食感の対比があるから、一見静かな冷やし鉢なのに箸が単調にならない。

昨日は焼き穴子と新ごぼうの香りを、炊きたての米と湯気で楽しんだ。今日は火の気配をぐっと遠ざけ、鱧の白、蓮芋の淡緑、梅肉の赤、そして冷たいだしで食べさせる。同じ八月の御膳でも、温度を変えるだけで季節の見え方まで変わるものだ。

次回予告――8月19日は「豚ロースと万願寺とうがらしの塩麹酒蒸し御膳」。
冷たい梅肉鉢から、再び温かな料理へ。酒の蒸気の中で柔らかく火を入れた豚肉に、万願寺とうがらしの青い香り。塩麹とすだちで軽やかに仕上げる一膳を訪ねます。

田嶋達郎

呪文

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