「アンナ、学校に遅れるわよ!」

お母さんの声に、天使のアンナは元気よく返事をした。

「はーい! ひとっ飛びで行ってくる!」

アンナはオレンジ色のツインテールを揺らし、白いニットワンピの上から自慢の羽をパタパタと広げた。そしてお気に入りの赤いランドセルを背負った。

「よーし、テイクオフ!」

ふんわり空へ飛び立とうとしたが、足は地面にくっついたままだ。

「あれ? もう一度……とうっ!」

体が浮き上がる気配はない。まるで後ろからギュッと羽交い締めにされているような窮屈さだ。

「アンナ、何してるの?」

友達のチサが不思議そうに首を傾げた。

「チサ、大変! 羽が病気になっちゃった!」

「病気っていうか……ねえ、そのランドセルの太いベルト、羽の上から思いっきり締まってない?」

「な、なんだってー!?」

背中に手を伸ばすと、確かに羽は完全に押しつぶされ、ピクリとも動かない。

「うう、ランドセルが私の羽の天敵だったなんて……!」

落胆したのも束の間、アンナは木漏れ日輝く森の小道でポンと膝をつき、上目遣いでチサを見上げた。

「でも、この赤いランドセル大好きなの! 歩きなら可愛いお花も探せるしね!」

二人は手を繋ぎ、楽しそうに歩き出した。

呪文

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