本日のランチ
八月十四日。
今日の主役は、鍋肌から立ち上る焦がし醤油の香りだ。
大きめに切った厚揚げは、表面をしっかり焼き付けてある。まずひと口かじれば、角は香ばしく、中はふんわり。大豆の穏やかな甘みが広がる。
そこへ絡むのが、深緑のモロヘイヤ。
粗く刻んだ葉には独特のとろりとした粘りがあり、厚揚げの乾いた焼き面を包み込む。この「カリッ」と「とろり」の対比が面白い。
そして決め手は、鍋肌で焦がした醤油。
香ばしさが厚揚げへ薄くまとい、生姜の香りが後口をすっと切る。濃厚なたれで押すのではなく、焼いた大豆と青菜の味を香りで引き立てる仕立てだ。
白ご飯を頬張れば、もう一度あの醤油香へ箸が伸びる。
昨日は、熱いかき揚げと冷たい茶蕎麦の温度差を楽しんだ。
今日は、香ばしい厚揚げと粘りのある夏野菜。
素朴な材料でも、火の入れ方ひとつで食卓はずいぶん賑やかになる。
次回の食彩探訪は、
「鱸と新蓮根の酒蒸し 青柚子あん御膳」。
焦がし醤油の力強い香りから一転、次はふっくら蒸した白身魚へ。新蓮根の歯切れと青柚子の香りを添えた、静かな夏の温製を訪ねます。
田嶋達郎
呪文
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