2026/5/7
食彩探訪
新生姜ごはんと豚しゃぶ香味だれ定食

店の奥で、湯の中を肉がくぐる気配がした。
焼き音ではなく、静かに火を通す昼の音である。
運ばれてきた膳から、まず立ち上がったのは新生姜の香りだった。
白いごはんの湯気に、若い生姜の清々しさがふわりと混じる。
辛さで押すのではなく、香りで箸を進ませる。
ひと口ごとに、初夏の空気が少し軽くなるようだった。
豚しゃぶはしっとりとやわらかい。
香味だれには茗荷、大葉、ねぎ、ごまが重なり、肉の旨みを涼しくほどいていく。
前日の冷やし炊き合わせが、出汁の中に季節を沈める料理なら、
今日は薬味の香りで、季節をふわりと立ち上げる定食だ。
胡瓜とわかめの小鉢、三つ葉の澄まし汁も、全体を重くさせない。
満足感はあるのに、食後の余韻はすっきりとしている。
次回は、香味の流れを受けつつ、少し香ばしさを戻します。
「初鰹のたたきと新玉ねぎポン酢定食」をいただく予定です。
田嶋達郎

呪文

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