5/20 食彩探訪
新じゃがと豚角煮のせいろ蒸し御膳

五月の昼に、せいろの蓋を開けた瞬間の湯気ほど、食欲をやさしく誘うものはありません。
今日の御膳は、新じゃがと豚角煮を主役にした、ほくほくと甘辛の一膳です。

小ぶりな新じゃがは、皮ごと蒸されて、箸を入れるとほろりと割れる柔らかさ。
水分を含んだ初夏のじゃがいもらしく、素朴な甘みが湯気の中から立ち上がります。

そこに合わせる豚角煮は、照りよく、ふっくら。
甘辛い煮汁を含んだ脂身は重たすぎず、せいろの熱でほどよく温められることで、口の中でじんわりほどけていきます。
新じゃががその旨みを受け止め、青菜や春キャベツ、絹さやの緑が全体を軽やかに整えてくれます。

白髪ねぎと針生姜をのせると、角煮の濃厚さにすっと風が通るようです。
辛子を少し添えれば、甘辛い味わいがきりっと締まり、白ご飯が自然と進みます。

小鉢の酢の物や香の物も、この御膳には欠かせません。
豚の旨みをしっかり味わったあとに、胡瓜や茗荷の涼しさが口を整え、また次のひと口へ箸を向かわせてくれます。

派手な演出ではなく、湯気、照り、香りで満たしてくれる昼ごはん。
初夏に向かう季節の中で、ほっと落ち着ける満足感のある御膳でした。

次回は、せいろ蒸しのやさしい熱から趣を変えて、香ばしい焼き物へ。
「鯵の梅しそ焼きと新玉ねぎの冷やし鉢御膳」を予定しています。
旬を迎える鯵に梅と大葉の香りを合わせ、新玉ねぎの瑞々しさで後味を軽くまとめる、初夏らしい爽やかな昼御膳にしたいと思います。

田嶋達郎

呪文

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