誰もいない深夜の公園。光る杖を掲げ、少女は黄金の粒子が舞う空中に目を細めた。

「ねえ、本当にここなの? いつも遊ぶブランコのすぐ横だよ?」

杖の先が意志を持つように空を小気味よく叩くと、弾けるような黄金の粒子が宙に舞った。

「嘘、まさか地面の下に道があるなんて! 驚かせないでよ」

彼女が足元を強く踏みつけると、アスファルトがまるで水面のように波打ち、その裂け目から琥珀色に輝く地下への螺旋階段が現れた。

「すごい、いつも通る道なのに! 君ってば、本当に優秀な相棒だね」

少女が杖をくるりと回すと、先導するように光が階段を降りていく。

「待ってよ、置いてかないで!」

彼女は黒いマントを翻し、駆け出した。日常の裏側、重なる別の世界への入り口は、案外すぐ近くに潜んでいるものらしい。

「今日はどんな景色が見られるかな。地図には載っていない場所、楽しみだね」

杖の先端が期待に満ちた輝きを増し、暗闇を優しく照らし出す。

「よし、準備はいい? 出発だ!」

二つの影は、音もなく新しい地平へと溶け込んでいった。

呪文

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