銀世界の中、雪の妖精のような少女、レイラが真っ白なコートに身を包んで立っていた。モコモコの耳付きフードを被り、大きな瞳でこちらをじっと見つめている。

「……ねえ、何見てるの?」

レイラがぽつりと呟く。吐息が白く揺れた。僕は寒さをこらえながら答える。

「いや、あまりに可愛らしくて絵になるなと思ってさ」

レイラは少しだけ不機嫌そうに鼻を鳴らし、両手を顔の横に添えて「がおー」というポーズをとった。その姿はまさに子熊そのものだ。

「そう? なら、これで満足かしら」

「うん、すごく可愛いよ」

僕がそう言うと、レイラは急に表情を変えた。さっきまでの儚げな雰囲気はどこへやら、彼女は懐からごつい金属製のレンチを取り出したのだ。

「可愛いのはいいけど、早くそこの配線直してくれない? 寒くて鼻が凍りそうなんだけど」

レイラは無表情で、持っていたレンチをカチャカチャと鳴らす。

「……君、その格好でDIYするつもり?」

「当然でしょ。この雪原で暖房が止まるなんて死活問題よ。あ、あんたが直してくれないなら、そのコート、私が剥ぎ取って暖をとるから覚悟して」

彼女の瞳は先ほどよりも鋭く、そして熱く燃えていた。僕は黙って凍えながら、レンチを受け取るしかなかった。まさか、雪の中で工具を振り回す野生児だったとは。

「文句は聞かないわよ。ほら、早く」

レイラに急かされ、僕は凍える手で作業を開始した。冬の寒さよりも、横で見張る彼女の気迫の方がよっぽど恐ろしかった。

呪文

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