2002年8月7日、多摩川に迷い込んだ一匹のアゴヒゲアザラシの子どもが撮影されました。
程なくそのアザラシは『タマちゃん』と命名され、新聞・テレビなどで連日報道されて注目を集めました。
なお移動範囲は多摩川以外にも横浜市の鶴見川や帷子川など比較的広く、「いやツルちゃんだ」「ハマちゃんの方がいい」と主張する人々もいたとかいないとか。
なお横浜市西区は『ニシ タマオ』名義でタマちゃんの特別住民票を発行。
「何勝手に横浜市民扱いしてるんだよー」とブーイングがあったかは知りませんが、そもそも動物に住民票の発行を制定した法律なんてあるワケが無いので単なる広報印刷物でしかなく、他の自治体でもその地域に縁が深い動物や架空のキャラなどに特別住民票を与えるケースが相次ぐことになりました。
ちなみに『ふなっしー』は移住促進キャンペーンへの参加で宮崎県都城市の特別住民票を贈呈されましたが、本拠地である千葉県船橋市からは非公認なので特別住民票を貰えていません🤣


『タマちゃんブーム』は偶然や一過性のものではなく、綿密に計算されたPR活動だったことが明かされています。
国土交通省京浜河川事務所とPR会社『プラップジャパン』は多摩川に出現したアゴヒゲアザラシのニュースを知ると観衆が押し寄せることで現場が混乱するのを防ぐためPR展開方法を緊急で検討。
そこでタマちゃん人気のみではなく、多摩川の水質浄化・自然環境や『親水事業』への理解や関心を促す総合的な報道となるように各マスメディアへ通達しています。

「多摩川は生活排水が多く流れているので、住民の意識でもっと綺麗にすることができる。」

そのような環境アピールをタマちゃん報道に合わせて必ず実行することで、それまで市民の関心が薄かった都市河川や東京湾の状況に意識を向かせるのが狙いでした。
その結果、マスコミに取り上げられた件数は8月15日〜9月15日の1ヶ月で在京TV局135番組、全国紙98紙。
雑誌も含めた2ヶ月間の広告換算額 84億円。
タマちゃんは河川事業をPRするマスコットキャラとして最高の働きをしてくれたのでした。
2002年新語・流行語大賞の年間大賞は『タマちゃん』が受賞。
なお当のタマちゃんはビタ1文どころか小魚1匹すら報酬を貰えてはいません😅


2003年以降はタマちゃんの活動拠点は荒川へと移り、引き続きタマちゃんブームは継続します。
2年近い滞在期間でタマちゃんはアゴヒゲアザラシの名前通りアゴヒゲが伸びてすっかり大人の風格に成長しており、東京湾近郊がタマちゃんにとって理想的な環境だったことの証明でもありました。
アゴヒゲが伸びたせいで可愛らしさが失われたという意見もありましたが仕方ないね😓
タマちゃんは2004年4月12日を最後に消息を絶ち、その後現在に至るまで二度と現れてはいません。

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