大荷物を両手に抱えた菜穂は、街路樹の木漏れ日の中で誇らしげに胸を張っていた。

「見て見て! 今回の戦利品もすごいのよ!」

呆れたようにため息をついた友人の環が、手元を覗き込む。

「ちょっと菜穂、その両手にあふれ返る紙袋の山は一体なに? また怪しい催眠術にかかって変な壺でも買ったんじゃないでしょうね」
「失礼ねえ、どれも厳選された逸品よ。この輝く石なんて、持つだけで運気が右肩上がり間違いなしの開運ストーンなんだから!」
「……それ、ただの道端の石ころじゃない?」
「他にも、熱心にお勧めされたこの奇抜なタッチの絵画はどう? 未来の巨匠の初期作かもしれないの!」
「額縁だけ立派な小学生の落書きよ、絶対。それに、そっちの袋の中、まさかフリフリのゴスロリ衣装じゃないわよね」
「さすが環! よく分かったわね、今度のお茶会用に完璧な一着よ!」
「絶対着ないでしょ! っていうか、それ全部だまされてない?」
「ううん、私の心はいつだって大満足の宝の山よ!」

菜穂は周囲の視線など全く気にせず、誇らしげに胸を張ってクルリと一回転してみせた。今日も今日とて、二人の賑やかな足音はどこまでも軽やかに青空へと響いていくのだった。

呪文

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