Capture 5
雨の日だけ近い

放課後。

突然の雨で、
校門前は足止めされた生徒で溢れていた。

「……降るとか聞いてない」

俺が空を見上げていると、
隣から小さく傘が差し出される。

「悠真くん、入る?」

紗月だった。

黒い傘の下、
自然と距離が近くなる。

「悪い、助かる」

「……うん」

肩が軽く触れるたび、
妙に意識してしまう。

雨音のせいで、
会話も少し静かになる。

すると。

「——あー!!」

勢いよく駆け込んできたのは夏帆だった。

「ずるくない!? 二人だけ相合傘してるんだけど!?」

「してねぇよ、ただの避難だろ」

「でも近いじゃん!」

夏帆はそう言いながら、
無理やり傘の中へ入ってくる。

「狭っ! おい押すな!」

「だって濡れるし!」

すると紗月が、
俺の袖を軽く掴んだ。

「……今日は、譲らない」

雨音に紛れそうなくらい小さい声。

なのに、
心臓にはやたら大きく響いた。

呪文

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