9/1 / 食彩探訪 / 鶏むね肉と新蓮根の菊花薄葛煮御膳

九月最初の一膳は、淡い色合いの煮鉢から始まった。

薄葛をまとった鶏むね肉は、熱を抱えながらもしっとり。噛むほどに淡い旨みがほどけ、その隣では新蓮根がしゃくりと小気味よい歯切れを返してくる。この柔らかさと歯応えの対比がいい。

だしは重くとろませず、舌に薄く残る程度。そこへ菊花のほのかな香りと苦みが入り、やさしい味わいの中に秋らしい輪郭をつくる。

青菜のおひたし、なめこの澄まし汁、蕪の浅漬けと脇も軽やか。八月の焼き香をあとにして、九月は澄んだ温かさから始まった。

次回予告:9/2 / 戻り鰹と焼きしめじの辛子酢醤油和え御膳

田嶋達郎

呪文

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