2026年8月29日 / 食彩探訪 / 厚揚げと南瓜の胡麻味噌焼き御膳

昨日は湯気の立つ蒸し寿司でしたが、今日は焼き目から立ち上る香りが主役です。

まず厚揚げ。表面はこんがりと焼かれ、薄くまとわせた胡麻味噌にも香ばしい焦げ目がついています。噛めば外側の焼けた香りに続いて、中から大豆の穏やかな旨み。厚く味噌を塗っていないからこそ、厚揚げそのものの味もしっかり残っています。

隣の南瓜は、ほっくりとして甘い。この自然な甘みに白味噌のまろやかな塩気が重なり、さらに白胡麻の香りが後を追います。同じ胡麻味噌でも、厚揚げでは大豆の旨みを、南瓜では甘みを引き立てるのが面白いところです。

今日の一皿で印象に残るのは、やはり胡麻味噌の焼けた香りと南瓜の甘み。きつね色の厚揚げ、鮮やかな南瓜の黄色、ところどころに残る味噌の焦げ目――見た目にも、夏の食卓から少しずつ秋へ向かっていることを感じさせます。

濃厚一辺倒ではなく、素材を隠さない程度の胡麻味噌。その加減が、ご飯をもうひと口と誘う一膳でした。

次回予告

明日8月30日は、「豚しゃぶと梨のすだちおろし和え御膳」。

胡麻味噌を焼いた温かなコクから一転、次は再び涼しい冷製料理へ。

やわらかな豚しゃぶに合わせるのは、瑞々しい梨と大根おろし。そこへすだちの香りを重ね、豚肉の旨みを残しながら後口を軽やかに仕上げます。

白い豚肉、梨、大根おろしに、すだちの緑。 八月最後の日は、果実の瑞々しさを取り入れた一膳で残暑を涼しく締めくくります。

田嶋達郎

呪文

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