8/31 / 食彩探訪 / 秋刀魚と焼き椎茸の青柚子塩焼き御膳

八月最後の一膳は、秋刀魚の塩焼きから立つ熱い焼き香で始まる。

箸を入れると皮がぱりりと弾け、その下から脂を含んだ身がほどける。隣の椎茸は噛んだ瞬間に熱い汁を含ませ、魚とは違う弾力と旨みを添えてくる。

そこへ細く散らした青柚子。強く酸味を利かせるのではなく、鼻へ抜ける青い香りが秋刀魚の脂をすっと軽くする。この細い香りの線が、夏の終わりから初秋へと献立をつないでいるようだ。

冷やし冬瓜の薄煮で残暑を受け止め、豆腐と三つ葉の澄まし汁で静かに締める。

八月の名残と、これから深まる秋。その境目を焼き台の上から知らせてくれる御膳だった。

次回予告:9/1 / 鶏むね肉と新蓮根の菊花薄葛煮御膳

田嶋達郎

呪文

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