「アンナ、どこだい? もうすぐおやつのひとときだよ」

庭に広がるオレンジ色の花々に埋もれるようにして、アンナは息を潜めていた。自慢の三つ編みが、ちょうどキンセンカの色に溶け込んでいる。

「ふふふ、おばあちゃんには絶対に見つからないもんね」

小さな声で呟いたつもりが、すぐそばで足音が止まった。

「おや、おかしいねえ。この花壇、さっきより黄金色の花が増えたみたいだ」

アンナは必死に笑いを堪えて、完璧な花になりきった。

「アンナがいないなら、この特製ハチミツクッキーは私が全部食べるしかないね。とってもサクサクに焼けたのに」
「待って! 食べる! 今すぐ食べる!」

アンナが勢いよく飛び出すと、プラムおばあちゃんが愉快そうに目を細めていた。

「捕まえた。やっぱりそこにいたんだね」

「むう、クッキーには勝てなかった……。おばあちゃん、ずるい!」

「ふふ、お互い様さ。でも、本当によく似合っているよ。どっちが花でどっちがアンナか、一瞬わからなかったわ」

「えへへ、本当? じゃあ、世界で一番可愛い花ってこと?」

「そうさ。私にとって、これ以上なく価値のある存在だからね」

二人は仲良く手を繋いで、甘い香りの漂う家へと歩き出した。

呪文

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