真夏日を告げるはずの七月上旬、外の世界はすっかり銀世界に覆われていた。窓ガラスに息を吹きかけながら、風見は「やっぱり地球の寒冷化は深刻ねえ」とぽつりと呟いた。 縁側から振り返った少女――真白の首元には、真っ赤なチェックのマフラーがぐるぐる巻きにされている。

「ねえ風見さん、すごいよ!七月なのに雪だるま作れるよ!」

真白がはしゃぎながら外から駆け込んできた。コートの裾には冷たい粉雪がしっかりと積もっている。

「昔は七月といえばクーラーを全開でつけていんだがな……。我が家のリビングまで一瞬で北極圏に様変わりするとは、年々進む『地球寒冷化』は容赦ないものだな」

風見は深々とため息をつきながら、石油ストーブのスイッチにそっと手を伸ばした。

「でも寒いのって、なんだかワクワクしない?」
「いや、半袖の夏服しか用意していない私としては死活問題なのだがね」
「ほら、冷えてきたから一緒に温かいお茶を飲もうよ。雪見茶房の開店だよ!」

真白は楽しそうに湯のみを差し出し、赤くなった鼻の頭をこすった。異常気象のせいで地球の未来は心配だが、目の前のマイペースな笑顔を見ていると、深刻な寒さも少しだけ和らぐ気がした。

呪文

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