2026年8月30日 / 食彩探訪 / 豚しゃぶと梨のすだちおろし和え御膳

八月最後の一膳は、昨日の胡麻味噌焼きとは対照的な、ひんやりと涼しい仕立てです。

まず豚しゃぶをひと口。薄切りの豚肉はさっと火を通してあるため、しっとり柔らか。脂の甘みは残しながらも、大根おろしを絡めることで重たさを感じさせません。

そこへ梨を一緒に運ぶと、印象が一気に変わります。しゃりっと歯が入り、瑞々しい果汁と穏やかな甘みが広がる。豚肉と果物という少し意外な組み合わせですが、梨の甘さが豚の旨みとよく馴染みます。

そして、すだち。大根おろしに含ませた果汁の酸味と、鼻へ抜ける青々とした香りが全体を引き締めます。水菜のしゃきっとした歯触りも加わって、ひと口ごとに柔らかさ、瑞々しさ、しゃきしゃき感が入れ替わるのが楽しい。

今日とりわけ印象に残ったのは、豚肉の脂を消すのではなく、梨、大根おろし、すだちで軽く感じさせるところでしょう。

淡い豚肉の色に梨と大根おろしの白、そして水菜とすだちの緑。八月の終わりに、残暑を涼やかに送り出してくれる一膳でした。

次回予告

明日から暦は8月31日。

次週の具体的な献立名は、現在の資料ではまだ確定していません。候補として示されているのは、温かな魚料理、あるいは初秋の根菜を取り入れた一皿。

冷たいすだちおろしで八月を締めくくったあと、食彩探訪の食卓も少しずつ秋へ。

次はどんな食材から季節の変わり目を感じられるのか――新しい一週間を訪ねます。

田嶋達郎

呪文

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