翌日。

教室の窓際。

「……眠そう」

「寝てないだけ」

隣に座る紗月が、
小さく首を傾げる。

「昨日、考えてた?」

「……まぁ」

言葉を濁すと、
少しだけ間が空く。

「そっか」

それ以上は聞いてこない。

でも。

机の上で、
ほんの少しだけ距離が近づく。

触れそうで、触れない。

「……無理に、決めなくていいよ」

ぽつり。

優しい声。

「でも」

そこで、止まる。

「……ちゃんと見てね」

視線だけは、逸らさない。

近くて遠い距離のまま――
逃げ道だけ、残されていた。

呪文

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