2026年8月27日 / 食彩探訪 / 烏賊と小松菜の新生姜炒り煮御膳

昨日の冷たい煎りだしから一転、今日は鍋の熱が戻ってきました。ただし、力強く炒め切るのではありません。さっと油を回し、だしを加えて短く煮含める。炒め物と煮物のちょうど間を狙ったような一皿です。

まず烏賊をひと口。ぷりっとした弾力のあと、噛むほどに穏やかな甘みが出てきます。そこへ小松菜のしゃきっとした茎と、しっとりした葉。青菜らしいほろ苦さが加わることで、烏賊の甘みがかえって鮮明に感じられます。

そして今日のまとめ役は新生姜。細切りを烏賊と一緒に口へ運ぶと、瑞々しい辛みと香りがすっと抜けます。にんにくや濃口醤油で押す炒め物とは違い、薄口のだしを背景にして、新生姜が烏賊の甘みを細く持ち上げるような仕立てです。

皿底に残った淡い煮汁にも、烏賊と小松菜の旨みがほどよく移っています。白、濃緑、淡い生姜色という涼しげな色合いながら、口にすればきちんと温かい。残暑の時季に重たさを残さない、軽快な温菜でした。

次回予告

明日8月28日は、「焼き鮭と枝豆の新生姜蒸し寿司御膳」。

今度はおかずではなく、主食そのものが主役です。

香ばしく焼いてほぐした鮭、鮮やかな枝豆、そして今日から香りをつなぐ新生姜。それらを酢飯に合わせ、蒸して温かく仕上げます。

鮭色、枝豆の緑、酢飯の白。そして蓋を開けた瞬間に立ち上る湯気――。冷たい寿司とはひと味違う、夏の終わりから次の季節へ向かう一膳を訪ねます。

田嶋達郎

呪文

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