昼休み。

購買の帰り、夏帆に呼び止められた。

「ね、どっちがいいと思う?」

手にはパンが二つ。

「いや、どっちでも——」

「ちゃんと選んで」

食い気味に遮られる。

笑ってるのに、逃げ道がない。

「……じゃあ、そっち」

適当に指差すと、

「ほんとに?」

一歩、距離が詰まる。

近くない。
でも、逃げにくい。

「選んだ理由は?」

「いや、なんとなく——」

「なんとなくはダメ」

即否定。

「ちゃんと見て選んでよ」

軽い口調のまま。

でも、視線は外さない。

——これ、テストだ。

答えじゃなくて、過程を見られてる。

「……甘そうだから」

絞り出すと、

「うん、正解」

満足そうに笑った。

選ばされたのに。

選んだ気にさせられてる。

呪文

入力なし

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