2026/5/15
食彩探訪
「稚鮎の天ぷらと山菜おろしうどん御膳」

窓の外の緑が、日に日に濃くなってきた。

こんな季節になると、
不思議と“川の香り”を感じる料理が食べたくなる。

大きな鉢に盛られた冷やしうどんには、
わらび、こごみ、ぜんまい。
山の香りをまとった山菜がたっぷり添えられていた。

冷たい出汁は澄んでいて、
大根おろしの爽やかさが、喉を通るたびに心地いい。

そして主役の稚鮎の天ぷら。

細い魚体を丸ごと揚げた姿は、どこか初夏の風景そのものだった。
衣は軽く、噛むと“サクッ”と音を立てる。
そのあとに広がる、ほんのり苦い香り。
若い鮎特有の青い風味が、実に季節らしい。

山椒塩を少し添えると、
香りがさらに立ち上がり、一気に大人の味になる。

山菜のほろ苦さ。
鮎の香ばしさ。
冷たいうどんの透明感。

今日は“静かな初夏”を味わう御膳だったように思う。

派手さではなく、
季節の空気そのものを食べているような感覚。
こういう昼食は、食後の余韻まで心地いい。

さて、次回は少し趣向を変えて——
「豚しゃぶ梅おろしと焼きとうもろこしご飯定食」を予定している。
爽やかな梅の酸味と、初夏らしい甘い焼きとうもろこしの香りを楽しめる献立になりそうだ。

田嶋達郎

呪文

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