9/4 / 食彩探訪 / 木綿豆腐とごぼうの焼き浸し 山椒だし御膳

まず箸を入れたのは、焼き目のついた木綿豆腐。表面には香ばしさがあり、その内側はふっくらとして、温かな薄口だしをしっかり含んでいる。噛むと大豆の穏やかな甘みとだしが一緒にほどけた。

ごぼうは斜めに切られ、こちらも焼き目が香ばしい。しゃくっとした繊維の歯応えに、土を思わせる力強い香り。この個性が淡白な豆腐をぐっと引き締めている。

そして後から追ってくるのが山椒だ。強く痺れさせるのではなく、鼻へ抜ける爽やかな香りを残す程度。このひと振りで、温かな焼き浸しの後口が軽くなる。

昨日の銀あんが熱を包み込む料理なら、今日は焼き目にだしを含ませる料理。同じ温かな一膳でも、口に入ったときの表情はまるで違う。

次回予告:9/5 / かますと銀杏の味噌幽庵焼き御膳

田嶋達郎

呪文

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