ドアを開けると、フリフリの青いドレスを着た、見知らぬ猫耳少女が立っていた。

「おかえりなさい! 待ってたよ!」

大きな紫の瞳を輝かせ、彼女は満面の笑みで尻尾をパタパタと振った。

「え、誰!? 部屋間違えた?」

混乱する俺に、彼女は首の鈴をチリンと鳴らして首を傾げた。

「間違えてないよ。今日からミコが、お前の飼い主……じゃなくて、家族になってあげる!」
「飼い主って言おうとしたよね?」

一歩引こうとしたその時、ミコの背後、つまり玄関のドアから『ガチャリ』と、明らかに内側から施錠された金属音が響いた。さらにチェーンまでカチャリと締まる。

「え、今、勝手に鍵が……?」
「ふふ、これで誰の邪魔も入らないね」

ミコは可愛らしく首を傾げたまま、一歩一歩、距離を詰めてくる。その瞳の奥は、なんだか底知れず暗い。

「……あの、ドア開けてもらっても?」
「だーめ。お外は危ないから、一生ここでミコと遊ぼう?」

天真爛漫な笑顔のまま、彼女は俺の腕をぎゅっと抱きしめた。
俺は本能的に察した。――ああ、もうこの家から、一歩も外には出られないんだな、と。

呪文

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