帰宅すると、自室のベッドに見慣れない銀髪の少女が体育座りをしていた。大きめの白いフードをすっぽりと被り、警戒心があるのかないのか、こちらをじっと見つめている。

「……どちら様で?」

「ここは居心地が良い。だから私の場所」

「いや、俺の家なんだけど。不法侵入じゃ……」

「知らない。今からここは私の部屋」

少女はふかふかの枕をぎゅっと抱きしめ、黒いストッキングに包まれた脚を窮屈そうに折りたたんでいる。無表情だが、どこか楽しげだ。

「ねえ、座れば? 意外と悪くないから」

「いや、そういう問題じゃなくて。ちゃんと説明してくれ」

「ほら、早く。主なんだから、隣に座る権利がある」

有無を言わせぬ圧に押され、恐る恐る隣に腰を下ろす。途端、少女は満足げに目を細めた。

「よし、今日からここが私の指定席。主と呼んであげる」

「いや、名前くらい名乗ってほしいんだけど」

「ふふ、また明日」

とんでもない闖入者だ。けれど、この空間は案外悪くない。穏やかな日々が、少しだけ鮮やかに色づいた気がした。得体のしれない彼女との生活は、今日から始まるらしい。

呪文

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