酒場の片隅。
デーモン族のバルザックは上機嫌でジョッキを掲げた。

「いや~、うちの嫁が可愛くてなぁ!」

「また始まった……」

フィナは頬杖をつく。
レインも苦笑した。

「聞いてやるか」

 しかしバルザックは止まらない。

「笑顔が最高なんだよ!あの子が笑うだけで世界が明るくなるんだ!」

「はいはい…」

「良かったな」

二人の適当な返事にも気付かず、バルザックはさらに続ける。

「しかもな!俺は若い頃もっとイケメンだったんだぜ~!!」

「証拠は?」

 レインが即座に聞いた。

「無い!」

 堂々と言い切るバルザック。

「無いんかい」

フィナが呆れる。
それでもバルザックは満面の笑みだ。

「でもな!そんな俺を選んだ嫁の見る目は最高なんだ!」

「結局そこに戻るんですね」

「重症だな」

呆れる二人をよそに、バルザックは幸せそうに笑った。

「いやぁ、本当に良い嫁なんだよなぁ……」

そして数秒後。

「でな!結婚式の時の話なんだが──」

「あ、長くなるやつだ…」

「…帰りたいです」

酒場には今日も、バルザックの惚気話が響き渡るのだった。

呪文

入力なし

なっかーさんの他の作品

なっかーさんの他の作品


新着AIイラスト

すべてを見る