美しい森の遊歩道。そこに、一人の新米天使が立ち尽くしていました。

「……ここ、どこかしら。天界行きのバス停が見当たらないわ」

天使のフィオは、頬を膨らませて困り顔です。すると、頭上で羽ばたいていた白い鳥が、あからさまにため息をつきました。

「おいおい、フィオ。バス停なんて最初からないだろ。お前の羽、飾りかよ」

フィオはガビーンとショックを受けた顔で鳥を見上げます。
「なんですって!この羽はデリケートなのよ。湿気が多い日は膨らんじゃうんだから!」

もう一羽の鳥がクスクスと笑いながら横槍を入れました。
「そんなことよりフィオ、その格好。天使っていうか、これからお茶会にでも行くお嬢様みたいだな」

「うるさいわね!これは最新の『地上潜伏用ファッション』なんだから。あ、見て!あそこに綺麗な花が咲いてるわ。これを持って帰れば、きっと神様も道に迷ったことを許してくれるはず……」

「いや、それ、ただの雑草だぞ」
「むきゅー!もう、鳥のくせに生意気なんだから!」

フィオはプンプンと怒りながら、石畳をコツコツと鳴らして歩き出しました。

「いい?私は迷ってないわ。ちょっとだけ、景色のいい遠回りを楽しんでるだけなんだからね!」

「はいはい、その『遠回り』、もう三周目だけどな」

森には、天使の足音と、鳥たちの呆れた鳴き声がのんびりと響き渡っていました。

呪文

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