F1ブームの始まりからちょうど30年の節目、遂に日本人がモータースポーツの世界の頂点に立ちました。


インディアナポリス500(インディ500)は1911年から開催されている歴史の長いモータースポーツイベントです。
モナコグランプリ、ル・マン24時間レースと並ぶ世界3大レースのひとつに数えられています。

モナコは『世界中のトップセレブが集う祭典』。
ル・マンは『最高峰のチームプレイが求められる耐久戦』。
そしてインディ500は『地上最速の周回レース』。

350km/hを優に超える周回平均速度はどのレーシング競技よりも速く、それを33台ものマシンが200周に渡りデッドヒートを演じ続けます。
モナコと同日開催が多かったためF1レーサーの参戦が少ない時期が長く、それ故に日本での注目度は長らく今一つでした。
開催国のアメリカでは500万人以上がTV観戦すると言われるほどの熱狂ぶりで、国民的な大イベントとして定着しています。


佐藤琢磨はイギリスF3で若くして頭角を現したレーサーです。
F1移籍後は所属チームの内輪揉めや資金不足に悩まされながらも成績を積み、日本人初の記録を次々と打ち立てていきます。
2010年からはインディカー・シリーズに参戦することになり、2012年の第4戦サンパウロ決勝で3位につけたことで『日本人で初めてF1世界選手権とインディカー・シリーズ両方のレースで表彰台に上った』選手になりました。
2013年の第3戦ロングビーチ決勝では遂に日本人初優勝も果たしています。

そして2017年5月28日。
インディカー・シリーズ第6戦インディ500決勝では予選4位という好ポジションからスタートし65周目にトップへ進出。
その後ピットミスで順位を落としますが次第に挽回して最終版の196週目でトップに返り咲くとそのままチェッカーフラッグを受け、ここに日本人初&アジア人初のインディ500優勝を達成しました。


しかし優勝の余韻に浸っている暇はありませんでした。
なぜなら彼には、その後に『規定時間内に牛乳を一気飲み』というもう一つのレースが待っていたのです!


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実はインディ500の優勝者は「ビクトリーレーンで牛乳を飲まないor時間までに飲み終わらない」場合には賞金が獲得できないというヒジョーに珍妙なルールが存在します。
しかも予選通過が決まったドライバーには普通牛乳or低脂肪乳or無脂肪乳のどれを飲むかを事前に選択することになっているという徹底ぶり。
今後ヴィーガンのドライバーが出走した場合は植物性ミルクも用意するそうです。
さらに翌日には午前9時から3時間の撮影会、優勝者記者会見、5時間のセレモニーイベント、翌朝のNYのニュースに生出演、ナスダックの取引開始のベルを鳴らす、さらにまた記者会見……の合間にデトロイドに移動して週末に行われる次のレースに備えるという超過密スケジュールが待っています!
地上最速の男はスケジュールの処理も地上最速を求められるのです。


佐藤琢磨は2020年にも再びインディ500で優勝を飾りました。
直近の2026年は10位入賞。
50歳を目前になお日本最速のドライバーであり続けています。

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