24cm差の『肩車』で砂浜ダッシュ!!(地遥&瑠璃海)

使用したAI Stable Diffusion
学校帰り、夕暮れが近づき、オレンジ色に染まり始めた砂浜。
「あ痛っ……」
貝殻を集めて夢中になっていた瑠璃海が、小さな声を上げて砂の上にしゃがみ込む。
​地遥は、すぐに駆け寄った。「どうした、見せてみろ」と覗き込めば、波に洗われた小さな貝殻の破片で、足の裏をほんの少し赤くしている。大した傷じゃない。だけど、地遥にとっては一大事だった。
​地遥は瑠璃海の前にすとんと膝をつき、広い背中を向けた。
​「え、でも……いいの?ちはるくん、私重いよ?」
「お前が重いわけないだろ。ほら、早く」
​ぶっきらぼうな口調に、瑠璃海は小さく笑って「じゃあ…」と、彼の肩に、ひょいっとまたがった。​「うおっ……!? 瑠璃海、この場合普通はおんぶだろ!?」
一瞬焦る地遥だったが、「まー良いか、瑠璃海らしいや」と苦笑しながら立ち上がる。地遥の頭上で、瑠璃海は「わあ、すごい!」と歓声を上げた。158cmの彼女にとって、182cmの彼の背中から見る世界は、いつもよりずっと高くて、広くて、きらきらして見えた。
​「ちはるくん、進めー! ダッシュ、ダッシュ!」
頭上で無邪気にはしゃぐ瑠璃海。
けれど地遥は、さっきから生きた心地がしていなかった。
​(……やべえ、めちゃくちゃ近い)
​​歩くたびに、自分の頬にピタッと伝わる瑠璃海の柔らかい太ももの体温。見えはしないけれど、そこから彼女の甘い良い香りがして、地遥の頭は破裂しそうだった。
瑠璃海の太ももを支える大きな手は、変なところに触れないよう必死で拳を握り込み、緊張でガチガチに震えている。
​「ねえ、ちはるくん? もしかして疲れてる……?」
顔を覗き込もうとした瑠璃海の吐息が、地遥の耳元をかすめる。
​「……疲れてねえよ。うるさい、動くな」
地遥は真っ赤になった耳を隠すように、わざと不機嫌そうな声を出し、照れ隠しに砂浜をザザーッと勢いよく走り出した。
​​「きゃあ! はやーい!」
落とされないよう、瑠璃海が地遥の頭にぎゅっとしがみつく。密着する太ももから、お互いのドギマギが伝わってきそうだった。
​不器用な優しさと、真っ直ぐな信頼。波の音にかき消された地遥の激しい心臓の音は、きっと瑠璃海には全部バレてしまっているのだろう。そんな2人の、もどかしくて甘酸っぱい放課後の海物語。

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