大規模化の発表とサークル内の対立

昨年までの「理想の夏コーデ」が、大人たちの都合で「夏ファッションショー」へ改編される。
先輩たちは反発し、紫髪ウルフちゃんは歓迎する。青髪ボブ子ちゃんは板挟みになり、空野ミナミが取材に訪れる。


<前編>
「私たちのショーじゃなくなる?」

【1コマ目:昨年の思い出】

大学構内の小さな中庭。手作りの飾りつけと簡素なランウェイで、昨年の「理想の夏コーデ」が開かれている。

先輩学生が笑顔で歩き、青髪ボブ子ちゃんは当時の一年生として舞台袖から見守っている。

ナレーション:

「昨年まで、それは大学の片隅で開かれる、ささやかなファッションショーだった。」

「衣装も演出も、全部、学生たちの手作りだった。」

【2コマ目:突然の発表】

現在。モデルサークルの部室に、大きなポスターが掲示される。

見出しは、

「地域最大級! 夏ファッションショー開催!」

下には、行政、新興モデル事務所、地域商店街、大学など、多数の主催・協力団体の名前。

大学職員が説明する。

「今年から会場は市民アリーナです」

「学生のみなさんには、“学生モデル部門”を担当してもらいます」

紫髪ウルフちゃんは目を輝かせる。

「アリーナ!? 観客、何千人も来るかもしれないんですよね!」

「プロの事務所の人にも見てもらえるんですか?」

【3コマ目:先輩たちの反発】

先輩の一人が机を叩く。

「学生モデル部門って何?」

「去年までは、私たちがショー全部を作ってたんだけど」

別の先輩も、ポスターを見ながら不満を漏らす。

「後援していた人たちが主催者になって、私たちは一部門に格下げ?」

「これじゃ、私たちのショーを乗っ取られたようなものじゃない」

紫髪ウルフちゃんが反論する。

「でも、小さいままじゃ誰にも見てもらえません!」

「モデルを目指すなら、大きい舞台に立つべきです!」

【4コマ目:対立する部員たち】

先輩たちと一年生たちが向かい合い、部室の空気が険悪になる。

先輩:

「有名になるためなら、何を変えられてもいいの?」

紫髪ウルフちゃん:

「昔の形にこだわって、チャンスを捨てるんですか?」

双方から青髪ボブ子ちゃんに声が飛ぶ。

「ボブ子はどう思う?」

「リーダーなんだから、はっきり言ってください!」

青髪ボブ子ちゃんは困った表情で立ち尽くす。

「私は……」

【5コマ目:責任だけが増えていく】

大学職員が、青髪ボブ子ちゃんに分厚い資料を渡す。

「学生部門の代表者は、あなたでお願いします」

「大学のテレビ番組にも出演していますし、広報にも慣れていますから」

資料の表紙には、

「学生部門代表・青髪ボブ子」

と書かれている。

青髪ボブ子ちゃんの心の声:

「決める権限はないのに、責任だけは私に来るんだ……」

【6コマ目/7コマ目:取材班の登場】

険悪な部室の扉が勢いよく開く。

星形のヘアピンを付けた空野ミナミが、マイクを持って笑顔で入ってくる。

「こんにちはー! まちなかケーブルテレビです!」

「話題の夏ファッションショーについて、学生モデルのみなさんの“喜びの声”を取材に来ました!」

誰も返事をしない。

ミナミの笑顔が固まる。

「……あれ?」

青髪ボブ子ちゃんは、泣きそうな顔でミナミを見る。

最後の小コマで、ミナミが目を大きく見開く。

「ボブ子ちゃん、もしかして……喜んでない?」


後編へ続く

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