小説『THE・TONE』【ニャンノ世界】
『THE・TONE』
煙草を吸って、海を眺める。
この瞬間が好きな阿龍田家の長女
阿龍田登寧(あるたとね)
「世の中、煙草を吸わなきゃやっていけないことばかりだよな…ふぅ~」
言葉を飲み干し、吐いて、吸って、その中で阿龍田登寧は渋い顔をする。118年間も生きてきた中で思うのは、人類ってのは、楽な方に流れると、滅ぶってことが分かった。
おまけに、人類は、人気取りばかりで、周囲のことにゃ、全然見えていない愚かで傲慢なのだということを…だからこそ、時おり、
オキノニャラ海水浴場に流れてくる。ゴミを拾い、海の保全活動を行っている。
「あいもかわらず、世の中、クソだなぁ~」
とぼやく様は、どこか、現状に対する不満すらも滲ませていた。
完璧なまでに灰色、色鮮やかなれど、心の中の曇天は晴れることなく、曇りゆく…
眩しき光…心は揺れ動く…
悩みの先にあるのは
何処か…あるいは…
MONOTONEな配色へと心が移り変わる。
綺麗なようでいて、
内心は複雑怪奇…
この先にある言葉や世界が
表面的な布一枚で壊れてしまうのならば…それはそれでいいと思った。
終末的な世界、一度塗り替えても…変化することはあるのだろうか、メランコリーな憂いが襲う。
「感傷に浸ると青く染まっていくのはなぜだろうか…」
心の道化役者が笑っている。
砂浜を歩く葦…
それでも、考える葦は止まらず
ゴミを拾う、自然は何も発さない
人類は嘘や醜さを見せる。
全部が、全部、自然だったらと
憂鬱な気分とは反比例で
陽光は昇る…
気分はカミュの気持ちだった。
眩しき太陽があるから、
憂う気持ちも強くなるんだと…
朝日は、夕暮れのごとく
心を沈ませる面も持ち合わせていたのだ。
概念煙草を吸って、見つめる世界…明日の朝日への境界線…
心情が高鳴る度に
憂いが増すのは摩訶不思議なるものなのか…
呪文
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