時は流れて臨月を迎えたリザ。
イズミが住み込みで緊急事態に備えることになった。
そして、時は来た。

リ「……っ、痛い……!」
イ「間隔が短くなってる。来たな!」
ロ「リ、リザ!?どうすればいい!?水か!?毛布か!?それとも――」
イ「ロイ!」
ロ「は、はいっ!?」
バチン!!
ロ「痛っ!!」
イ「しっかりしろ!お前が慌ててどうする!車を出せ!産婦人科だ!」
ロ「りょ、了解!!」
リ「……ロイ……」
ロ「!」
滅多に名前で呼ばないリザの声。
リ「……怖い……」
ロイの顔から慌てた表情が消える。
ロ「……リザ」
リザの手を強く握る。
ロ「大丈夫だ。俺がいる」
イ「よし。そういう顔ができるなら大丈夫だ。行け!」

火野神社へ緊急テレビ電話
助手席のイズミがスマホを取り出す。
イ「レイ!始まったぞ!」
レ『……!』
画面の向こうでレイが立ち上がる。
レ『リザさん!』
リ「レイ……さん……」
レ『怖くていいの!私たちがいるから!』
ら『リザ!聞こえるか!』
リ「はい……」
ら『頑張れ!こっちからみんなでついてるからな!』
乱『リザさん!』
未『大丈夫!』
麗『頑張ってー!!』
リ「みんな……ありがとう……」
レ「らんま!全員呼ぶわよ!」
ら「おう!」
そして火野神社へ次々と集まってくる。
う「リザさん!!」
亜「落ち着いて、ゆっくり呼吸して……!」
ま「頑張れ、リザさん!」
美「もうすぐ会えるよ!」
せ「大丈夫……みんなここにいます」
ほ「リザさん……!」
最後に駆け込んでくるエド。
エ「中尉!!」
イ『エド、声がでかい!』
エ「だ、だって……!」
ほ「エド、もう泣いてる……」
エ「うるせぇ……中尉が……(´;ω;`)」
ら「まだ早ぇよ!大佐じゃあるまいし!」

そして病院へ
ロ「見えた!」
イ「そのまま正面へ!」
ロ「病院だ!!」
車が止まる。
ロイが運転席から飛び出す。
ロ「リザ!」
リ「……ロイ……」
ロ「俺につかまれ!」
イ「ロイ、慌てるな!スタッフに任せろ!」
ロ「だ、だが――」
イ「今のお前の仕事は、リザのそばにいることだ!」
ロ「…………!」
リザが震える手を伸ばす。
ロイはその手を握る。
ロ「……分かった」
そしてスマホの向こうから――
レ『大佐!』
ロ「レイ君?」
レ『絶対にその手、離しちゃダメよ!』
ら『大佐!父親研修の卒業試験だぞ!』
良牙『大佐、頑張れ!』
ロ「……君たち」
リ「ふふ……」
痛みの中で、ほんの少しリザが笑う。
ロ「行こう、リザ」
リ「……はい」
イ「時間はないぞ! 行くぞ!!」
そして三人が病院の中へ。
スマホ越しの火野神社では、誰も通話を切らない。
レ「……みんな」
う「うん」
せ「待ちましょう」
ほ「三人になって帰ってくるまで……」
ら「…………大佐」
そして、これまで笑ってばかりだったらんまが小さく呟く。

分娩室前――。
イ「…………」
普段ならじっとしていられないイズミが、腕を組んだまま廊下を行ったり来たりしている。
イ「ロイ……しっかりやれよ……」
一方、分娩室。
リ「うぅっ……!」
ロ「リザ!俺の手を握れ!」
リ「ロイ……!」
ロ「いるぞ!俺はここにいる!」
リ「怖い……でも……もうすぐ……!」
ロ「そうだ!一緒に会おう!俺たちの子に!」

火野神社
テレビ電話を大画面につないで、全員が固唾をのんで待っている。
うさぎ、亜美、レイ、まこと、美奈子、はるか、みちる、せつな、ほたる。
らんま、エド。
そして乱麗、未麗、麗馬、馬未。
誰も喋らない。

美「…………」
ま「…………」
は「……まだか……」
み「はるか、落ち着いて」
は「お前だって手、震えてるぞ」
み「……ええ」
レ「リザさん……」
ら「…………」
エ「中尉……」

その瞬間――
「オギャー!!!!」

火野神社。
全員「!!!!!!」
分娩室から赤ちゃんの泣き声が響く。
ロ「…………」
リ「…………」
ロ「生まれ……た?」
助産師「はい。元気ですよ」
ロ「…………」

次の瞬間。
ロ「やった!! やったぁぁぁぁ!!!!」
リ「ロイ……」
ロ「リザ!ありがとう!!本当にありがとう!!」
リ「……あなた……泣きすぎよ……」
ロ「無理だぁぁぁ!!(´;ω;`)」

廊下
イ「!」
赤ちゃんの声を聞いた瞬間、イズミの表情が崩れる。
イ「……そうか」
壁にもたれ――
イ「……生まれたか……」
そして、
イ「…………(´;ω;`)ウッ……」
顔を覆う。
イ「よく……頑張ったな……リザ……」

そして火野神社では
最初に限界を迎えたのは――
エ「…………」
ら「…………」
二人が同時に顔をぐしゃぐしゃにする。
エ「中尉ぃぃぃ!!(´;ω;`)」
ら「よかったぁぁぁ!!(´;ω;`)」
エ「らんまぁぁぁ!!」
ら「エドぉぉぉ!!」
ガバッ!!
二人が抱き合う。
レ「ちょ、ちょっと二人とも……」
そう言ったレイ自身も――
レ「…………(´;ω;`)」
う「レイちゃぁぁん!!」
レ「うさぎぃぃ!!」
亜「よかった……本当に……」
ま「リザさん……頑張ったなぁ……」
美「大佐……パパになったんだ……!」
せ「よかった……」
は「くそっ……こういうの弱いんだよ……」
み「私もよ……」
ほ「リザさん……おめでとう……!」
ついにセーラー戦士全員号泣。

その後ろでは――
乱「よかった……!」
未「赤ちゃん……生まれた……!」
麗「大佐、パパになったんだね……!」
馬「うわぁぁぁん!!」
子供たちまで泣き出す。
ら「お前らまで泣くなよぉぉ……!」
レ「あなたが一番泣いてるでしょ!!」

病院
しばらくして、扉が開く。
イ「!」
看護師が、小さな赤ちゃんを大切そうに抱いて出てくる。
「おめでとうございます」
ロイも一緒に出てくる。
看護師「元気な男の子ですよ!」
イ「男の子……!」
ロ「…………」
小さな顔。
小さな手。
一生懸命泣いている、自分とリザの息子。
ロ「…………俺の……」
イ「ロイ?」
ロ「俺とリザの子だぁぁぁぁぁ!!!!(´;ω;`)ウゥゥ」
イ「ロイ!病院で叫ぶな!!」
ロ「無理だぁぁぁぁ!!」

火野神社の画面からも、
美『大佐ぁぁぁ!!』
ま『おめでとう!!』
エ『大佐ぁぁぁ!!』
ら『父ちゃんになったなぁぁぁ!!』
ロ「らんま君……!」

ロイは赤ちゃんの小さな手に指を触れさせる。

ぎゅっ。

ロ「!」
赤ちゃんがロイの指を握る。

ロ「…………リザ」
分娩室の中から、疲れ切ったリザが微笑む。
リ「……大佐」
ロ「うん……」
リ「私たちの子ですよ」
ロ「……ああ」
そしてロイが泣きながら笑う。
「初めまして。父さんだ。」

それから…
リ「大佐。名前、決めました?」
ロ「……一つ、考えている」
リ「聞かせてください」
ロ「マース」
リ「…………」
ロ「……やはり、重すぎるかな」
リ「いいえ」
ロ「リザ?」
リ「ただ、この子はヒューズ准将の代わりではありません」
ロ「……ああ」
リ「この子は、この子です。それでもあなたが……大切な友人から一つだけ贈り物をもらいたいというのなら」
ロ「…………」
リ「私は、素敵な名前だと思います」
ロ「……ありがとう」

そして火野神社へテレビ電話。
ロ『決まったよ。マース・マスタングだ』
エ「…………」
一同「…………」
エ「大佐……お前……」
ロ『鋼の。泣くなよ』
エ「大佐が先に泣いてんじゃねぇか!!(´;ω;`)」
ら「マースか……いい名前じゃん」
レ「……ちょっと待って」
ら「ん?」
レ「Marsって、マーズよね?」
全員「…………」
美「セーラーマーズ候補キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」
ロ「そういう意味で付けたんじゃない!!」

完結!!

呪文

入力なし

わさま@奈良さんの他の作品

わさま@奈良さんの他の作品


関連AIイラスト

新着AIイラスト

すべてを見る