英国六弦拳――ブリティッシュロックの源流

今日、世界音楽史に燦然と名を刻む「ブリティッシュロック」。
ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ザ・フー、レッド・ツェッペリン等に代表されるその荒々しくも旋律的な音楽様式は、一般にはアメリカ黒人音楽やブルースを源流とするとされている。

しかし、これは近年の西洋音楽史家による一面的解釈に過ぎない。

その真の起源は、古代中国拳法における秘伝の一派――

「武律帝守六絃拳」
ぶりていしゅ・ろくげんけん

にあったのである。

武律帝守六絃拳は、唐代末期、河北省の山岳寺院「璃婆浦流寺」において創始された拳法である。
この流派の特徴は、拳を振るう際に発する掛け声、足踏み、呼吸音を一体化させ、敵の神経を乱す点にあった。

特に奥義とされたのが、六本の鉄線を張った武具「義太亜」を用いる技である。
義太亜は本来、敵の刀を絡め取る防具であったが、達人がこれを強く弾くと、雷鳴にも似た轟音を発したという。

この音を聞いた敵兵は、ある者は膝を折り、ある者は頭を振り乱し、ある者はなぜか両手を突き上げて絶叫したと伝えられる。
これが後世にいう「観客の熱狂」の原型である。

宋代に入ると、武律帝守六絃拳は海路を通じて西方へ伝わった。
その途上、波斯、天竺、阿剌比亜を経て、ついに霧深き島国・英吉利へと到達する。

当時の英吉利人は、この拳法を正確に発音できず、
「武律帝守」を British、
「六絃」を Rock
と聞き誤った。

ここに、後の「British Rock」という言葉が誕生したのである。

さらに有名な演奏姿勢である、足を開き、腰を落とし、上体を反らせて義太亜をかき鳴らす動作は、武律帝守六絃拳の基本型「雷雲馬歩」に由来する。
ギタリストが演奏中に見せる激しい腕の振り、跳躍、長髪を振り乱す所作も、すべて敵の目を眩ませるための拳法動作が儀礼化したものであった。

なお、現代ロックにおける「リフ」とは、拳法用語の「利風」に由来する。
これは同じ打撃を反復し、相手の呼吸を奪う連続技を意味した。
また「シャウト」は中国語の「殺吼」、すなわち相手の胆力を破壊する咆哮術から転じたものである。

ビートルズが初期に見せた揃いの動作、ローリング・ストーンズの蛇のような身のこなし、ザ・フーの風車奏法、レッド・ツェッペリンの重厚な音圧。
これらはいずれも、失われた中国拳法「武律帝守六絃拳」の残影にほかならない。

すなわち、ブリティッシュロックとは音楽ではなく、
拳を音に変えた武術であったのだ。

民明書房刊
『英吉利音楽武侠伝――拳法はいかにしてロックとなったか』より抜粋。

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