小説『ペンギン少佐と焚き火飯』【ニャンノ世界】
『ペンギン少佐と焚き火飯』
帝国ペンギンのペルチャコフ少佐は人間のルクレ大尉の食べるチーズ入りホットサンドを見て、じっと見つめる。
「欲しいのですか、少佐」
彼は黙ってコクりと頷いた。
あげると、ペルチャコフ少佐は
「ホットサンドは美味だな、チーズも乗っていて、癒された」
満足げな声で鳴いた。
ペンギンゆえに表情がわからぬ
不思議な存在だが、
焚き火の音を聴きながら
とろけるチーズやあったかいホットサンドは心を弾ませるに最適だった…
ルクレは情報分析官として、
ペンギンらと共に帝国ペンギン内の状況を調べていた。
その上で分かったのは、
芯夜境戒の一派や、謎の未確認存在、夢幻厄災が目撃されていること…
様々な情報が前線より把握できたもので…これは、後方に座していたのでは、気付けないものであり、
「相対すものにはセンシスト派もいて、警戒が必要だな」
センシスト派とは、古くから存在し、彼らは法律を理解する能力が欠如しており、それ故に、法を破り、視覚的にないしは実効的に迷惑千万を被る厄災と同等な存在なのだ。
「SFWも苦慮するのも分かるな」
SFWは国際警察の一つであり
お茶の間で凍りつく
あるいは公共の場でセンシスト派のようなものを逮捕する機関であり、秩序たるものを絶対の理念として動く組織である。
「少佐、我々は警察ではありません、ですが、SFWと同じく、この混沌とした世界を憂うものであります」
「あぁ、俺も同じだ、センシスト派の裏には夢魔どもが黒幕だというのが、CosmosOrderのダチから分かってんだ」
「少佐は天使ともお知り合いで」
「まぁな、」
ペルチャコフ少佐は夢島社の概念煙草を一服し、煙を吐く。
「センシスト派を一掃しないと世が腐る…、歴史だってそうだ、何も規制、統制しないと、国は滅んでいった…アヘンや、麻薬、そういうのが国をダメにしていくんだ」
「概念煙草は違うんですか」
「おっと、痛いところをつくな大尉、俺が、何も規約とか法を確認せずに煙草を吸うもんか、これは空想の煙草であって…」
「夢魔の匂いがする」
「概念煙草なぁ、言われてみれば…」
夢魔なのかもしれない…
そんな疑念が、
一つの綻びが、
世界の深淵を覗いたかの如く
奇妙でゾッとする感覚を
覚えるのだった。
炎が揺らめくたびに
信念というものが揺らいだ…
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