翌朝――。
レ「アヤ、おはよう。……どうしたの?」
ア「レイ。今日、時間ある?」
レ「あるけど?」
ア「……イズミさんのところ、連れてってくれない?」
レ「精肉店?」
ア「うん」
レイはアヤの表情を見て、すぐ察する。
レ「昨日のこと、気にしてるのね」
ア「…………うん」
レ「知らなかったんだから――」
ア「それでもさ」
アヤは少し俯く。
ア「私、自分が治療で苦労したからって……出産の話なら人の気持ちが分かるつもりになってたのかもしれない」
レ「アヤ……」
ア「イズミさんにはイズミさんの人生があるのに。知らないまま踏み込みかけた」
レ「……分かった。行きましょう」

イズミ精肉店
カラン♪
イ「いらっしゃ――」
レ「こんにちは♡」
イ「レイじゃねぇか!」
その後ろから、ちょこんとアヤ。
ア「…………こんにちは」
イ「……アヤ?」
ア「はい」
イ「どうした? 二人揃って」
レ「アヤがイズミさんと話したいって」
イ「私と?」
ア「…………はい」
レ「じゃあ私は――」
ア「レイ」
レ「?」
ア「ここからは……一人で話す」
レイはニッコリ。
レ「分かった♡」
イ「なんだなんだ、随分深刻だな」
店の奥――
イ「で?」
ア「昨日……私、イズミさんも出産経験があるって話をしようとして……レイに止められました」
イ「……ああ」
ア「その後、聞きました。全部じゃありません。レイも、それ以上は本人から聞くことだって」
イ「レイらしいな」
ア「だから……」
深く頭を下げる。
ア「ごめんなさい。」
イ「…………」
ア「知らなかったとはいえ――」
イ「アヤ」
ア「はい」
イ「顔上げろ」
ア「……」
イ「お前、私に何か言ったか?」
ア「え?」
イ「言いかけただけだろ?」
ア「でも……」
イ「だったら、もういい」
ア「イズミさん……」
イ「それにな」
イズミが腕を組む。
イ「お前が自分からここまで来た。それで十分だ」
ア「…………」
イ「ただし!」
ア「!」
イ「せっかく精肉店まで来たんだ。手ぶらで帰れると思うなよ?」
ア「え?」
イ「エプロン!」
バサッ!
ア「えええ!?」
イ「今日は忙しいんだ。話の続きは肉切りながら聞いてやる!」
ア「私、精肉店で働いたことないですよ!?」
イ「だから教えるんだよ!」
店先で待っていたレイ。
レ「……ふふっ♡」
奥から――
ア「イズミさん! これ何グラム!?」
イ「見りゃ分かる!」
ア「分からないから聞いてるの!!💢」
レ「もう仲良くなってるwww」

呪文

入力なし

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