「もう何もしたくない」
「でも、やるべきことはしなくちゃ」
「うん、わかってる」
「なら、いこう…」
「はい…、だけど、嫌なんだもう」
「キワミくんの悪いところだよ、嫌なことからは逃げちゃうの!」
まゆ子は僕に厳しい顔を向ける。
いつも、穏やかなまゆ子が、
怒る…いや、叱る姿を見るのは…
でも、僕のことを見ているから、
真剣なんだな…
「キワミくんはめんどくさがりな所がいけないんだよ」
「はい、わかっています」
「それに、すべきことは責任をもって取り組む」
うぅ、耳がいたい…
でも、聞かなくちゃ、僕のことを見ているから、叱ってくれているんだ。
まゆ子はちっちゃいが芯はまっすぐ、
僕はそんな彼女にひかれて、
お付き合いしている。
「ねぇ、聞いてるの?キワミくん?」
「あっ、あぅああっはい…うぅぅ」
「なんだか、ゾンビみたいになってるよ!」
「うぅぅ…あっあぁうぁが」
反省しまくって、キワミの心は壊れかけていた。
「もう、しっかり、して!大人でしょ!もう!」
キワミはまだまだ、弱いんだな…、と
改めてまゆ子の存在がいかに大切かを知った。