本日のランチ

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『食彩探訪』12月号特集

「12月12日　やさしい甘みが冬に沁みる──白菜と豚肉の旨煮定食」
文・撮影：田嶋 達郎（グルメ記者）


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冬の気配がぐっと濃くなる頃、
本当に恋しくなるのは“やさしい味”。
今日いただいた 白菜と豚肉の旨煮定食 は、
その「やさしさ」を、丁寧に、まっすぐ届けてくれる一膳だった。

皿に盛られた旨煮は、まず見た目からほっとさせる。
やわらかく煮えた白菜は透き通るような淡い黄金色で、
豚肉は余計な脂が落ち、ふっくらと軽い口あたり。
旨煮ならではの“とろり”とした餡が具材を包み込み、
スープのように飲んでも、白ごはんに合わせてもおいしい。

ひと口目で感じるのは、
出汁の深みと白菜の自然な甘さ。
噛むほどに旨みがじんわりと広がり、
心までゆっくりほどけていくような感覚がある。
豚肉はしっとり柔らかく、
旨煮の味をしっかり吸い込んで噛むほどに滋味があふれる。

サイドに添えられた たくあん と しば漬け がまた良い。
たくあんのポリッとした食感は旨煮の柔らかさを引き締め、
しば漬けの酸味は後味を軽くして次のひと口を誘う。
この“アクセントとしての漬物”の存在感は侮れない。

そして味噌汁。
豆腐とわかめの素朴な組み合わせながら、
出汁が効いていて身体がすっと温まる。
シンプルな定食ほど、味噌汁の仕事ぶりが光る。

今日は豪勢ではない。
けれど、しみじみと幸せになれる。
そんな冬の昼ごはんだった。


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◆次回予告

12月13日：寒い日にほっと落ち着く──「けんちんうどん定食」を予定。
根菜の甘みと出汁の香りが心を温めてくれます。

──今日も、いいしみ具合だった。🥢❄️