地の息

使用したAI ChatGPT
※注1ホラーは苦手なのでAIの補助を受けてます

※注2設定だけで長すぎて本編に入れなかったw

※以下設定


(朽ちの森/廃坑墓苑)
<世界の名称>「沈黙の盆地」(しじまのぼんち)
かつてはカナリア盆地と呼ばれた。
坑夫たちが坑道の安全を測るため籠の鳥を携えて降りたことに由来する。今その名を口にする生者はいない。

(歴史 ―栄光と終焉―)
鉱山街の繁栄
数百年前、盆地の地下深くに眠る
緋銀鉱(ひぎんこう)が発見された。
緋銀は通常の銀より赤みを帯び、燃やすと蒼い炎を上げる希少金属で、貨幣・装飾・錬金術の原料として大陸中に流通した。

街は急速に膨らんだ。坑夫、商人、鍛冶師、娼婦、聖職者、子供たち。最盛期には七千人が盆地に暮らし、石畳の広場には笑い声と荷馬の蹄音が絶えなかった。

(深掘りの代償)
繁栄は欲を呼んだ。
採掘は禁忌とされていた第七層、通称「根の階(ねのかい)」にまで及んだ。

根の階には緋銀とともに、封じられた地層ガスが眠っていた。坑夫たちはそれを「地の息(ちのいき)」と呼んでいたが、誰も意味を深く考えなかった。

ある春の夜明け、坑道の奥で鈍い爆発音が響いた。音そのものは小さかった。
しかしそれを境に、地の息は坑口から、地下水脈から、井戸の底から、静かに、確実に盆地全体へ染み出し始めた。

(毒の夜明け)
地の息は無色無臭だった。最初の兆候は家畜の死だった。次に老人が、次に子供が、次に誰もが眠るように倒れた。
逃げ出せた者はわずかだった。盆地の出口は一本道であり、すでに毒に侵された者は道半ばで力尽きた。
七千の命が、ひと月と経たずに消えた。
草木もしばらくは枯れ果てた。
しかし毒は植物を選んだ。数十年が過ぎると、毒気に適応した森が盆地を覆い始めた。葉の裏が青紫を帯びた常緑樹、根元が黒く変色した苔、朝露の代わりに乳白色の靄を纏う下草。盆地は生者を拒む森となり、死者の街を丸ごと飲み込んだ。

(現在の地理)
沈黙の森/盆地を覆う森は
「濡れ森(ぬれもり)」と呼ばれる。
常に薄靄が漂い、昼でも光が緑灰色に沈む。音が奇妙に吸われ、数歩先の足音さえ遠く聞こえる。
生きた動物はほぼいない。かろうじて存在するのは毒気を食う黒い羽のカラスと、発光する菌類だけだ。

(廃坑墓苑)
街の外れ、小高い丘の上に石造りの墓苑がある。
七千の死者が眠るには到底足りない区画だが、逃げ場のなかった者たちが最後に集まった場所として、自然に聖域化した。
石碑は苔に覆われ、大半は文字が読めない。墓苑の中央に礼拝堂の残骸があり、崩れた鐘楼だけが辛うじて形を留めている。

(崩れかけの洋館)
墓苑に隣接するように、旧市長邸が立っている。
かつては盆地随一の豪邸だったが、今は屋根の三分の一が落ち、蔦と菌糸に壁を絡め取られている。
それでも石造りの骨格は生きており、暖炉のある大広間と地下の書庫は今も使える。

--少女が住む場所である--

(少女 ―墓守のリリト―)
名前と来歴**リリト**
本名を名乗ったのは数百年前が最後で、今は自分でもその名前の出所を半ば忘れている。
死の夜、街に残された最後の子供だった。逃げることも死ぬこともできず、毒の中でただ在り続けた。
生者でも死者でもない。毒は彼女の命を奪わなかったが、老いることも、遠くへ去ることも、彼女から永遠に奪った。
盆地の外へ一歩踏み出すと、体が砂のように崩れ始める感覚がある。彼女はそれを一度だけ試し、二度と試さないと決めた。

外見
見た目は十二、三歳ほどで止まっている。
髪は腰まで伸びた黒で、毒の靄を吸ったせいか毛先に青みがかった光沢がある。
肌は透けるように白く、静脈が薄く透けて見える。
いつも古びたエプロンドレスを着ており、何百年も着続けているはずなのに、なぜか目立った傷みがない。自分でも理由を知らない。
目だけは子供らしくない。
灰色の虹彩の中に、極小の緋銀色の斑点が散っており、暗い場所で微かに発光する。そして、眼鏡をかけている。

性格
感情の幅はある。ただし表に出るのに時間がかかる。
数百年の孤独は彼女を無感動にしたのではなく、感情の動きが非常にゆっくりになった。
悲しいと気づくのに一週間かかる。嬉しいと気づいたとき、その出来事はもう二ヶ月前だったりする。
幽霊たちとの会話は好きだ。彼らは急かさないから。

(死霊たち ―リリトの隣人―)
在り方
七千の死者が全員残っているわけではない。
多くは時間とともに薄れ、消えた。
今も墓苑に留まっているのは百数十の霊で、それぞれ留まる理由を持つ。
幽霊たちは完全な姿を持たない。
輪郭が揺らぎ、声は風音に混じり、触れることはできない。
しかし言葉を持ち、記憶を持ち、感情の残滓を持つ。

(主な死霊たち)
ヴァルター老人
元坑夫の親方。口が悪く、よく文句を言う。しかしリリトが体調を崩すと(稀だが)真っ先に現れる。
留まる理由:坑道に置いてきた後輩の遺骨がまだ回収されていないから。

サリー
リリトと同い年くらいで死んだ少女。
言葉数が少なく、よくリリトの後ろをついて歩く。何も言わずただそこにいる。
留まる理由:本人も分からない。ただここにいる。

神父のベルナール
礼拝堂の廃墟に縛られている。
長い独白を好み、神学の問答をリリトに吹っかけてくる。神は死者に何を与えるのか、それをリリトは数百年かけてまだ聞き続けている。
留まる理由:答えが出ないから。

(毒の性質 ―地の息―)
無色無臭の気体だが、長期的に盆地に漂い続けることで液状の毒靄に変質している。
これを「沈み靄(しずみもや)」と呼ぶ。
生者が吸い込めば数時間で死に至る
植物は変質しながら適応した。
死者には影響しない。
リリトには……何もしない。それが彼女が生者でも死者でもない証拠だ、とベルナール神父は言う。
沈み靄は毎朝夜明けに濃くなり、日が中天に近づくと少し薄れる。
リリトは濃い朝靄の中を歩くとき、わずかに呼吸が重くなる感覚だけある。それが唯一、彼女が自分にまだ体があることを実感する瞬間だ。

(時間の流れ ―少女の一日―)
朝:墓苑を巡回し、倒れた墓碑を起こし、苔を払う。

昼:洋館の書庫で死んだ街の記録を読む。読んだことのある本しかないが、何度でも読む。

夕方:死霊たちが活発になる時間帯。広間に集まった霊たちと会話する。

夜:暖炉の前で、覚えている人間の顔を順番に思い出す練習をする。忘れないように。

雨の日:墓苑の水はけを確認する。石棺に水が入ると霊が不機嫌になるから。

嵐の夜:洋館の窓が軋む音を聞きながら、かつての街の賑やかさを想像する。記憶なのか想像なのか、もう区別がつかない。

(世界の核心 ―問いとして―)
この物語が底に持つ問いは一つだ。
「守ることと、忘れないことは、同じことなのか」
リリトは墓を守っている。しかし七千の顔は少しずつ、少しずつ薄れていく。名前を刻んだ石は苔の下に消えていく。
それでも彼女は毎日巡回し、石を起こし、靄の中に立つ。
誰かに頼まれたわけではない。
誰かに見られているわけでもない。
ただ、誰かがしなければならないと、彼女が決めた。

それが数百年前のことで、その理由さえ今はうまく言葉にできなくなっているとしても。

沈黙の盆地に外から訪れる者はいない。
リリトはそれを寂しいとも、ありがたいとも思わない。
ただ今日も、朝靄の中に立って、石碑の苔を静かに払う。

呪文

入力なし

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