軍開発部・工房
新型機械鎧の最終調整が終わる。
エドはゆっくりと立ち上がる。
右腕を握る。
左脚を一歩踏み出す。
ガシャン……。
以前より軽く、滑らかに動く。
エ「……動く。前より動くぞ!」
亜(目に涙を浮かべて)「難しかったけど……できた……。(´;ω;`)ウゥゥ」
ほ(エドを見つめながら)「エド……(´;ω;`)ウゥゥ」
ウィンリィは腕を組んでニヤニヤ。
ウ「エドも悪い人よねぇ。女の子を二人も泣かせちゃって。ふふふっ♪」
エ「悲しい意味で泣かせたわけじゃねぇだろ!なんで俺が悪者なんだよ!」
亜(笑いながら涙をぬぐう)「嬉し泣きです。」
ほ「はい。また戦えるんだって思ったら……。」
そこへ、
コンコン。
工房の扉が開く。
ロ「できたのか、鋼。」
エ「大佐!」
ロイは新しい機械鎧を見回し、大きくうなずく。
ロ「いい出来だ。なら、明日は性能確認だな。」
エ「はい!」
ロ「組手をしてもらう。」
エ「誰とです?」
ロ「セーラーサターン。」
エ「…………え?」
ロ「セーラーサターンと組手だ。」
エ「夫婦で!?」
ほたるはなぜか一歩前へ。
目をキラキラさせる。
ほ「お願いします!」
エ「ほたる!?なんでそんなノリノリなんだよ!」
ほ「新しい槍、試したいです♪」
エ「怖い!うちの嫁、怖い!」
ウィンリィ、大爆笑。
ウ「夫婦喧嘩だー!わはははは!!」
ア「兄さん、ちゃんと手加減してね?」
エ「いや!普通、相手が手加減してくれるんじゃないの!?」
ほ(にっこり)「本気で行きます♡」
エ「その笑顔が一番怖い!」
亜「明日が楽しみですね。」
ロ(腕を組んで満足そうに)「新型機械鎧。新型の槍。最高の性能試験になりそうだ。」
リ「大佐、夫婦喧嘩を性能試験と言い換えないでください。」
ロ「……確かに。」
工房中が笑いに包まれる。

そして翌日――
・軍訓練場

ロイは中央へ歩み出る。
ロ「これより、新型機械鎧性能試験!新型槍性能試験!組手を開始する!」
エ「よろしく!」
ほ「よろしくお願いします!」
二人は向かい合い、一礼する。
ロイは後ろを振り返る。
ロ「なお!本日の救護班は二名!」
後方から二人が前へ出る。
イ&未「救護班だ。」
ロ「昨日の教訓を踏まえ!今回は万全の体制だ!」
リ「軍医も待機しています。怪我をした場合は直ちに組手を中断します。」
未「先生!今日は私たちの出番がないくらいが一番ですね!」
イ「そうだな。救護班は暇なくらいが平和だ。」
エ「頼もしいけど……先生と未麗が後ろにいると。安心して突っ込めるな。」
ほ「私もです。二人がいると思うと心強いです。」
ロ「では!性能試験開始!……始め!!」
ウ(観客席)「エドー!壊したらまた作るから、思いっきり行きなさい!」
亜「ほたるちゃん!頑張って!」
ア「兄さん!負けるなー!」
未(笑顔で)「先生、今日は私たち、観戦できそうですね。」
イ「いや。エドだからな。十中八九、一回は吹っ飛ぶ。」
未「……確かに。」
エ(聞こえてしまい)「先生!そこは否定してくださいよ!」
イ(真顔で)「現実を言っただけだ。」
ほ(くすっと笑って)「エドさん。安心してください。今日は加減します。」
エ「その『加減』が信用できないんだって!」
観客席は笑いに包まれる。
しかしロイだけは真剣な表情で二人を見つめる。
ロ「よし……、救護班よし、軍医よし、審判よし、これなら安心して見届けられる。」
リ(小さく微笑んで)「大佐らしいですね。今度は本当に、安全第一の組手になりそうです。」

"新型機械鎧を装備したエドワード・エルリック VS 新型の槍を手にしたセーラーサターン・ほたる"
夫婦ならではの息の合った、そして誰よりも遠慮のない組手が始まろうとしていた。

エ「行くぞ!!」
両手を打ち鳴らす。
パンッ!!
地面から石柱が次々と飛び出す。
ほ「甘いです!」
新型の槍が風を切る。
ブォン!!
石柱を一瞬で切り裂く。
エ「やっぱ速ぇ!!」
槍と錬金術が激突する。
ガキィィィン!!
衝撃波が広場中へ広がる。
ドォォォォン!!!!
二人とも反動で大きく吹き飛ぶ。
亜「最強と最強がぶつかると……こんな衝撃になるのね……。」
ア「兄さん……ほたるさんも……すごい……。」
ウ(頭を抱えながら)「……機械鎧。故障確定ね💦」
煙が晴れる。
エドもほたるも立ち上がる。
しかし、お互い決定打を避けている。
ロ「……。」
リ「大佐、二人とも、どこか手加減しています。」
ロ「そうだな。性能試験としては物足りん。」
その時。
救護班の位置からイズミが一歩前へ出る。
イ「エド!!!!」
エドがビクッとする。
イ「何を遠慮している!相手は誰だ!」
エ「先生……。」
イ「お前は!セーラーサターンを信じているからこそ!本気で行けるんじゃないのか!!」
ほたるにも視線を向ける。
イ「ほたる!お前もだ!エドが壊れると思って遠慮しているだろ!」
ほ(少し驚いて)「……。」
イ「今のお前たちは!夫婦として戦っている!戦士として戦ってない!!」
静まり返る訓練場。
未「先生……。」
イズミは二人を真っすぐ見つめる。
イ「信頼しているなら!本気でぶつかれ!!そのために私たち救護班がいる!!」
未(胸を張って)「そうです!怪我をしたら私たちが治します!」
イ「だから!全力で行け!!!!」
エドとほたるは顔を見合わせる。
そして笑う。
エ「……そうだな。」
ほ「はい。」
エ「先生、あとで治してくださいよ?」
イ「任せろ。」
未「私もいます!」
エ(にやり)「ほたる、今度は遠慮しない。」
ほ(槍を構え直し)「私もです。本気で行きます!」
ロ(満足そうに)「これでこそ性能試験だ。」
リ「救護班がいるからこそできる、全力の組手ですね。」
再び二人が駆け出し、今度は一切の迷いなく、新型機械鎧と新型の槍が真正面から激突するのだった。

エドが両手を打ち鳴らす。
パンッ!!
鋼の槍が地面から突き出す。
ほ「はぁぁぁぁっ!!」
新型の槍が大きく弧を描く。
ガキィィィィン!!!!
錬金術と新型の槍が真正面から衝突。
ドォォォォォン!!!!
衝撃波が訓練場を包む。
土煙が一気に舞い上がる。
静寂。
煙が晴れると──
エドも、ほたるも、
仲良く数メートル先へ吹き飛ばされていた。
ロ「ストップ!!性能試験終了!」
リザが笛を吹く。
ピーーーッ!!
エドは仰向けのまま笑う。
エ「いててて……。機械鎧は無事か?」
右腕を握る。
左脚を動かす。
エ「おっ!壊れてねぇ!」
ほたるもゆっくり起き上がる。
槍を確認する。
ほ「傷一つありません!」
ロ「よし。十分だ。」
ロイは腕を組み、二人を見つめる。
ロ「できれば決着まで見たかったが……性能試験としては大成功だ。」
リ「両方とも耐久性は十分ですね。」
その瞬間。
救護班が同時に走り出す。
イ「エド!」
未「ほたる先生!」
イズミはエドの前で膝をつく。
イ「無茶しやがって。」
エ「先生、本気で行けって言ったの先生ですよ。」
イ(苦笑)「そうだったな、じゃあ責任を取る。」
両手を前へ。
イ「ピュアナギワシャワー!!」
°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
温かな赤い光がエドを包む。
打撲や擦り傷がゆっくり癒えていく。
一方。
未麗もほたるのもとへ。
未「ほたる先生!大丈夫ですか!?」
ほ「ちょっと腕がしびれます。」
未「任せてください!」
両手を重ねる。
未「ピュアナギワシャワー!!」
°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
優しい赤い光がほたるを包む。
ほ「あっ……痛みが引いていく……。」
未「はい!これで大丈夫です!」
観客席。
亜「先生と未麗ちゃん。息がぴったりですね。」
ア「救護班まで最強になったね。」
ウ「よかったぁ。今度は機械鎧、壊れてない!」
ロイは満足そうにうなずく。
ロ「攻撃、防御、武器、機械鎧、そして救護。全部の性能が確認できた。」
リ「理想的な試験でしたね。」
エドは立ち上がり、ほたるに手を差し伸べる。
エ「お疲れ。」
ほ(手を取って)「お疲れさまでした。」
二人は笑顔で握手を交わす。
その様子を見たロイは小さく拍手を送る。
ロ「これにて、新型機械鎧と新型の槍の性能試験を終了する!」
訓練場には拍手が響き、開発部の努力と、それを支えた仲間たちの力が実を結んだ一日となった。

呪文

入力なし

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