【ラフロイグという"赦し"】

ガラスの扉を押して店に入ると、背筋が自然と伸びるような空気が流れていた。

女性客――三浦紗季、戦略コンサルティング会社のシニアマネージャーは、ふっと小さな吐息をついた。店構えは気取っていなかったが、一歩入れば、重厚なカウンターと程よい距離感で灯る照明。棚には錚々たるボトルが並び、ただの“おしゃれなバー”ではないことがわかる。

「いらっしゃいませ」

迎えたバーテンダーの声は、柔らかく澄んでいた。振り返った彼女は、思ったよりずっと若く、そして――可愛らしかった。長い黒髪にやや童顔、笑顔がよく似合う可愛らしい女性。こんな娘がこの空間を任されているのか?と、正直、紗季は少しだけ不安になった。

「よろしければ、カウンターへどうぞ」

案内されて腰を下ろす。グラスを磨く仕草一つ、氷を扱う手元の動き一つに、無駄がない。オーセンティックな店の格式を壊さず、むしろ引き立てている。

「何かお好みはありますか?」
「……ギムレットを」

目を見て注文すると、彼女は微笑んで頷いた。手際よくシェイカーが振られ、グラスに静かに注がれたその一杯。口に含んだ瞬間、紗季の顔から疲れの色が少しだけ和らいだ。

「美味しい。……ちょっと意外だったわ」
「意外、ですか?」
「失礼だけど、もっと“軽い”味が出てくるかと思ってたの。貴女の見た目があんまりにも可愛らしいから、ね」

バーテンダーは苦笑しつつも、怒ることなく、「よく言われます」と小さく笑った。

「お仕事、お疲れですか?」
「……顔に出てた?」
「はい。よかったら、少しお話聞かせてください。申し遅れました。私、遥って言います。まだ若輩者ですけど、皆さんのお話を聞くのはとても好きなんです」

そう言われると、この目の前の可愛らしい、でも意思の強そうな目をしたバーテンダー――遥に不思議と話してもいいような気がしてくる。紗季は軽くため息をついた。

「部下の指導がうまくいってないのかも、って。私、結構厳しくするほうなのよ。…コンサルって、正直なところ多くのお金をいただくものだし、適当ではいけないからね。でも最近、その子が妙に距離を取ってる気がして。……私、間違ってたのかなって」

遥は黙って頷いたあと、棚を見上げるようにして一瞬だけ考えた。

「それでしたら、次の一杯……少しクセのあるウイスキー、お出ししてもいいですか?」

差し出されたグラスからは、磯の香りとスモーキーな煙の香りが立ち昇る。

「ラフロイグ。アイラ島のシングルモルトです。最初はびっくりする方が多いですけど……癖になる人も多いんですよ」

紗季は鼻を寄せ、ひとくち口に含む。強烈な個性。薬品のような香り、ヨード、ピート、海藻のような塩気。でも、嫌な感じじゃない。不思議と、胸の奥が温まるような感覚がした。

「私、ここの先輩に憧れてこの仕事始めたんです。その人、ほんとにすごくて……すごく厳しくて。でも、それが嫌だと思ったことはなくて。自分に誰よりも厳しいし、厳しさの裏に、愛情がちゃんとあるって分かるから、続けられているんです」

紗季は静かに目を伏せた。

「ラフロイグみたいなものだと思っています。その人も、このお酒も。…そしてお姉さんも。好き嫌いは分かれるかもしれないけど、本気の想いでやってたら、ちゃんと伝わる。私は、お姉さんの厳しさには温かい優しさを感じたから……そう信じてます」

グラスの縁に残る液体を、紗季はもう一口すくうように飲んだ。さっきよりもまろやかに感じる。紗季はいつのまにか、ラフロイグの“癖”にどこか親しみのようなものを感じていた。

「……貴女みたいな若い子に言いくるめられるなんてね。悔しいわ」

素直になれない紗季の口調に、遥は全てをお見通しとばかりにくすりと笑った。

「悔しいくらいがちょうどいいんです。ラフロイグも、一杯目より次に飲む二杯目の方が美味しいですよ♪」

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翌朝、紗季はオフィスでいつものように資料を睨んでいた。そこへ、その“距離を取られている”と感じていた部下が、少し緊張した面持ちでやって来た。

「昨日……厳しく言われた件、ありがとうございます。ちゃんと考えて、資料の構成変えてみました。お手数ですが少々見てもらえないでしょうか?」

紗季は驚いた顔をしたあと、ふっと笑って頷いた。

――わかってる。ちゃんと、伝わってる。

ラフロイグのスモーキーな味を思い出しながら、今夜はあの可愛らしいバーテンダーに少しだけ優しくしてやろうかと、紗季はほんの少しだけ柔らかく笑った。


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唐突な物語調。え、どうしたん?って思われたかもしれませんね。
実は試しにchatGPTへ「バーの物語を書いて」って、ある程度設定を決めてお願いしたら、かなり面白くなってですね。
遥さん+ラフロイグで物語を書いてもらうと結構良いのでは、と思ったお話を書いてくれたので投稿しちゃいます!文章や展開、台詞に細かい手直しは加えていますが、ほぼほぼそのまま出せるってのがビックリしました( ゚Д゚)
宜しければ、chatGPT版物語がどう思ったか、皆様のご感想が聞けると嬉しいですね♪仮に超ご好評だったとしても、たまには自身で物語を書くつもりではありますが♪

さてラフロイグですね。
こちらは、とにかく癖が強い!ラフロイグ蒸留所の所在地は、スコットランドの西にあるアイラ島なのですが、ここで作られるウイスキーは独特の強い癖があるものが多いです。アイラウイスキーと総称されていますね。
このラフロイグもどっしりと厚いボディと、薬品のような癖のある香り。私も最初は本当に驚きました。でもロックが溶けていくにつれ、円やかに他のスコッチと似た味に変わっていく・・・これが魅力の一つと思います。

とはいえとにかく癖が強く万人にオススメはできません。かく言う私も、そこまで好みでは無かったり・・・
ただ、"アイラウイスキーしか飲まない!"という方は一定数居て、世界中に熱狂的なファンが多いジャンルでもあります。
そんな感じで必要とされる強さは、時に理解されにくい。でも、それを知る人と出会えた時に、それは赦しに変わる。そんな物語が世界の何処かで紡がれたかもしれませんね♪

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