IDEMITSU MARU(出光丸3代目)を描いてもらいました。

2026年4月、中東情勢が緊迫しホルムズ海峡が事実上の封鎖状態にある中、IDEMITSU MARU(3代目 出光丸)が無事に海峡を通過したことが大きな話題となりました。
これは、1953年にイギリスの封鎖を突破した「日章丸事件」以来の、出光とイランの長年の友好関係(レガシー)が影響していると各メディアで報じられています。

私が子供のころに見た乗り物図鑑に載っていた記憶がありましたので、どのような船なのか少し調べてみました。

日本人3人が乗船するIDEMITSU MARUは現在、サウジアラビア産原油200万バレルを搭載し、名古屋港に向かっています。
日本関係船舶では、出光興産子会社の出光タンカーが保有する原油タンカー IDEMITSU MARU(出光丸)の前に商船三井系の船舶3隻が封鎖状態にあるホルムズ海峡を脱出することができましたが、いずれも行き先はイランと「友好国」とされるオマーンとインドでした。
別の政府関係者は「これまでの3隻とは全く意味が異なる」と指摘しました。
「日本向けの原油を積み、日本人が乗っていることを踏まえて(脱出の意義を)考えるべきだ」(関係者)との声もあります。
在日イラン大使館のX(旧ツイッター)は29日、IDEMITSU MARUのホルムズ海峡通過には触れずに日章丸事件を説明し、
「(当時の)歴史的な任務は両国間の長きにわたる友情の証で、今日も極めて大きな意義を持ち続けている。」
と投稿しました。
国土交通省によると、出光丸の通過で、ペルシャ湾内に残る日本関係船は41隻。
日本船主協会は29日、「全ての船員と船舶が一刻も早く安全かつ円滑に脱出できるよう支援をお願いする」との会長名のコメントを発表しました。

IDEMITSU MARU(出光丸 3代目)
出光丸(いでみつまる)の3代目は、2007年(平成19年)に竣工した超大型原油タンカー(VLCC:Very Large Crude Oil Carrier)。
竣工日: 2007年11月30日
建造所: IHIマリンユナイテッド(現・ジャパン マリンユナイテッド)呉工場
主要諸元:
全長: 333.0メートル
全幅: 60.0メートル
重量トン数(DWT: Deadweight Tonnage): 300,433トン(約30万トン)
総トン数(GT: Gross Tonnage): 159,939トン
原油積載量: 約200万バレル(日本の1日あたりの石油消費量の約半分に相当)

エンジン
この船には、当時最新鋭の電子制御式ディーゼルエンジンが採用されており、高い燃費性能と低速での安定した航行性能を両立させています。
主機関の諸元
型式: 8S80MC-C 型(三井-MAN B&W ディーゼルエンジン)
エンジンタイプ: 2サイクル・クロスヘッド型・ディーゼル機関
シリンダー数: 8気筒
最大連続出力 (MCR): 27,160 kW(約36,927馬力)
定格回転数: 76.0 rpm
ボア: 800 mm
ストローク: 3,200 mm
【参考値】
総排気量: 約13,672リットル
船舶用の大型エンジンは一般的に「排気量」ではなく「シリンダー径(ボア)」と「行程(ストローク)」で仕様が表されます。
全長 : 約 12.8 メートル
全幅 : 約 5.2 メートル
全高 : 約 13.5 メートル
総重量 : 約 1,043 トン
この重量は、乾燥重量(本体のみ)の目安。

・ 高さのイメージ: 13.5メートルという高さは、一般的な住宅の4〜5階分に相当します。シリンダー上部でのピストン抜き取り作業(メンテナンス)には、さらに数メートルの上部スペースが必要となります。
・重量の比較: 1,043トンという重さは、アフリカ象(約6トン)に換算すると約170頭分以上に相当し、エンジン単体で中型タンカー1隻分に近い重量感があります。
・ 電子制御への進化: 3代目「出光丸」以降の世代では、このMC-C型(機械制御式)をベースに電子制御化した「ME-C型」が主流となっており、さらなる燃費向上と低速安定性が図られています。
燃料の種類: 3代目「出光丸」は、主機関(ディーゼルエンジン)の燃料としてC重油(Heavy Fuel Oil)を使用しています。
特徴: C重油は粘度が高いため、使用時には船内のヒーターで130℃前後に加熱してさらさらにしてからエンジンに供給されます。
環境対策: 近年の環境規制に対応し、硫黄分濃度の低い燃料や排ガス洗浄装置(スクラバー)の活用、寄港時の補助エンジン用としてA重油も併用されます。

燃料の搭載量
 日本海事協会(Class NK)の船舶登録データによると、3代目「出光丸」の燃料タンク容量は以下の通りです。
 燃料油(FO)タンク: 約 8,388 立方メートル(m³)
 これは重量に換算するとおよそ7,500〜8,000トンに相当します。
航続距離の目安
 燃料の消費量とタンク容量から計算すると、航続距離は約 22,000 〜 25,000 マイル(約 40,000 〜 46,000 km)程度と推定されます。
・ 燃料消費量: 出光タンカーが運用する同クラスの30万トンVLCCは、通常の航海速力で1日に約 100 トンの燃料を消費します。
・ 航続日数の推算: 燃料を満載(約8,000トン)し、1日100トン使用した場合、約80日間連続で航行可能です。
・ 距離の算出: 航海速力を15.5ノット(時速約28.7km)とした場合、80日間で約30,000海里(約55,000km)を移動できる計算になりますが、実際には予備燃料や気象条件を考慮するため、余裕を持った運用が行われます。

中東から日本までの往復距離が約13,000海里(約24,000km)であることを考えると、燃料を満載すれば中東・日本間を無補給で1往復半以上できる能力を持っています。

燃料代の概算:8,000トンで約10億円
・ 単価の目安: 船舶用燃料(VLSFO)は1トンあたり約750〜850米ドル(約11万〜13万円)程度で取引されています。
・ 合計金額: 8,000トン × 12.5万円 = 約10億円。
 燃料価格は原油相場や為替に大きく左右されるため、時期によってはこれ以上の金額になることも珍しくありません。

給油場所:シンガポールが一般的
VLCCのような巨大船は、日本と中東を往復する途中に世界最大の給油拠点であるシンガポールで給油するのが一般的。
・ 理由: シンガポールは燃料の流通量が世界一で価格が比較的安く、航路上の要所に位置しているため、無駄な寄り道をせずに給油することができます。
・ 給油方法: 岸壁に横付けしてガソリンスタンドのように入れるのではなく、燃料を積んだ小型の「給油船(バンカー船)」が、沖合で停泊中の「出光丸」の横に並び、ホースをつないで送り込みます。

給油にかかる時間:約15〜24時間
 8,000トンという膨大な量を給油するには、丸一日近い時間が必要となります。
・ 所要時間: 準備や片付けを含め、およそ15〜24時間ほどかかります。
・ 給油速度: 1時間に数百トンから1,000トン近いスピードで送油されますが、満タン近くになると溢れないよう速度を落とす調整も行われます。

呪文

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