【絵物語】
『苦悶屋 毅ー自我の崩壊ー』

其は、人たらんや、
人たるか?
知らんなり、けれど、
我は既に苦悶のうちにて
苦悩し続けた果てにと
思い描くうちに
現れたのは苦悶の仮面なりて、
書くことは、血肉を削りて
身を破滅させるほどの魅力に包まれども、労苦し得るものは
砂の如く思われることだろう。

砂の城を築き、後悔の雨に
濡れるだけならば、
創作などせんで、
機械に任せればいいであろう。

黒々とした魂を筆致に載せる
機械は楽だ、しかして、
其は、我でもなく貴方でもない
魂亡き文体である
始まる前から死しておると
彼、苦悶屋毅は労苦し
文字を、一歩、一歩、血反吐を吐く思いで覚悟し、死ぬのではないかという思いたるものを以て、
書き殴る、文字に載せるのは、
大衆に迎合する優しき言葉ではなく、
己が芯に書きたいと思うもんを書いていたのだ、

既に苦悶屋毅の脳裏には、誰かの用意された規定の道を外れ、己が芯なるものへと向かおうとしていた。

道中、坂道方向へ向かう列車を見かけ、手を振るも、其は、答えなどないことを知ると…、足を進めていく。

今日は曇天であろうか…
少なからず、雲行きが怪しからんとして…ジップラインで下りたい…
なれど、残暑、悪しき気分であればあるほど、世界に陥るのは必然の如しと、我が心の芯解が問いかけつづも、自我と永業を抱えて
書き溢れた空間内にて文字を綴るのであった。

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