「……えっ、いま、なんて言ったの?」

クリスマスイブの夜。イルミネーションが輝くリビングで、彼女——凛(りん)は、真っ赤なサンタ衣装に身を包み、文字通り「固まって」いた。

事の始まりは、幼馴染の彼がボソリと呟いた一言だった。 「今年のプレゼント、もう決まってるんだ。一番欲しかったやつ」

凛は、彼がずっと欲しがっていた新作のゲーム機か、それともお洒落なスニーカーのことだと思っていた。だから、サプライズで驚かせてやろうと、猫耳付きのサンタ服を着て、ツリーの横に隠れていたのだ。

しかし、彼が凛の隠れている場所に気づき、目の前で優しく微笑んでこう続けた。 「目の前に、最高のが準備されてるしね」

「…………は?」

凛の脳内は大混乱に陥った。 (最高のが準備されてる? 目の前に? ……つまり、私!?)

「プレゼントは……わ、私!?!? ってことぉぉ!?」

顔は一瞬でサンタの服よりも赤くなり、エメラルド色の瞳はこぼれそうなほど見開かれる。あまりの恥ずかしさと動揺に、自慢の猫耳もピクピクと震えた。

「ち、違うから! これはただの余興というか、その、雰囲気を盛り上げようと思って……!」

アップアップと口をパクつかせる彼女を見て、彼は吹き出した。 「あはは! 凛、そんなに驚かなくても。俺が言ったのは、ツリーに飾ってある限定品のキーホルダーのことだよ?」

「………………え。」

静寂が流れる。 凛は、自分がとんでもない自意識過剰な発言をしたことに気づき、さらに体温が数度上がった。

「……もう、バカ! 大嫌い! 最悪のクリスマスだよ!」

そう叫んで顔を覆う凛だったが、彼女の腕を彼がそっと掴んだ。

「でも、さっきの提案。……そっちのプレゼントの方が、ずっと嬉しいかも」

聖夜の魔法か、それとも彼の本気か。 凛の長い夜は、まだ始まったばかりだった。

呪文

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